25. NEVER MIND DA 渋さ知らズ 番外地篇
はじめて観たのは京芸だっけ、なんとなく通り過ぎるとそれだけのことに思えるけど、細かく考えていくと人生ってとてもとても細かいつながりで成り立っている。運命とか何だとかって言いたくなることもわかるほどに。ひとつひとつでいまが構成されている悟り、因と縁と果、そんなことを思う。
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それはもう青春だった、中心地エアジン、南大沢、焼津、平塚、天幕にいまだ行けてないことは悔やまれる。野武士のようだった不破さんはよそ見をしている間に坊主に、溜息の間に白髪になった。飾らずに老いていってくれる人はうれしい。その道を行くんだ。そしてどう変わろうともベースと踊っているし、周囲の笑顔は今日も眩しい。感情が明るければ笑う当然。水だと差しだされたジンを片手に。あの燻らせた甘い匂いはいまも残る。記憶ではないもっと甘い何か。
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引き出しの奥に仕舞い込む、もしかしたら二重底の仕掛けがあるかもしれない。なかなか表に出すことがなかったとしても、大切に仕舞ったという事実。隙間に光が入り込む。ほんの少しだけ開けてみようか、捨てていないものは鼓動を止めない。好きだと言える今日も、追っていなくても、会っていなくても、思い出すよりも速く。
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