2-2イランとヒズボラ、イスラエルに報復宣言と萩生田 【後編】
2024/09/20
9月18日のロイターに面白いニュースが出ている。「ヒズボラの通信機器爆発、アメリカは関与していない=国防総省」というニュースである。ヒズボラの戦闘員が持っている通信機器、ポケベルとかトランシーバーが次々と爆発して国防総省が私は関係ありません、全然関係ありませんと必死になって釈明しているわけである。どうしてそんなにすぐに言えるのか。事前にある程度情報を持っていなければ自分たちは無関係だなどと言えるはずはないだろう。
この国防総省のパトリック・ライダー報道官はレバノンで17日に起きた親イラン武装組織ヒズボラ戦闘員の通信機器爆発にアメリカは関与していないと発表したと報じているが、なぜそういうことをアメリカが言わなければいけないのか。今回爆発している製品をよく見るとこれを作っているメーカーはFBIや国防総省のベンダーだということがある。
国防総省とFBIのベンダーになぜか反米国家が通信機器を発注してそれを信頼して使っているという極めて奇妙なことが起こっている。これを冷静に考えるとこのベンダーがダブルフェースでどちらにもいい顔をしている萩生田氏のようなやつだということだ。
ベンダーを信頼していなければアメリカの国防総省も使わないし、ヒズボラも使わない。ヒズボラは、スマホはイスラエルにハッキングされるから使うな、トランシーバーとポケベルを使えと推奨していた。ところがそのトランシーバーとポケベルはすでにハッキングされていて遠隔で爆破されてしまった。では、なぜそれが起こるのか。
アメリカがすでに日本と台湾のメーカーの通信機器がヒズボラに渡っていたことを把握している可能性がある。彼らのベンダーだから必ずウォッチする。必ずウォッチしてそのアンダーウォッチにある会社がどこに製品を流しているのかはアメリカはもちろんチェックしているはずである。
そう考えると、インテリジェンス・コミュニティでアメリカの諜報員がイスラエルと情報共有、一部情報を共有するということはあり得るわけだ。イスラエルはそういうコミュニティを通じて、どうもアメリカが使っている通信機器ベンダーからヒズボラが機器を買っているらしいという情報を入手している可能性がある。
そこでアメリカはヒズボラとイスラエルの今の諍いに自分たちは巻き込まれたくないので、慌てて自分たちは関係ないと否定しなければいけないところまで事態は進展していたのではないのかと思われる。
今回イスラエルは浙江財閥がキングメーカーになろうとして両者を手玉に取ろうとしているという状態にあることを把握していたのであろう。ずっと疑ってはいたけれども浙江財閥はチップを製造してくれるので仲間にしておいて損ではない。だから、疑いつつも慎重にお付き合いをしていたのが、その関係が崩れるような事件があったのだと思われる。
事は1年ぐらい前に遡る。1年前の10月7日にハマスによるイスラエル侵攻があったわけだが、空からロケット弾が飛んできた。そして戦闘員が陸上からイスラエルに侵入し、パラグライダーを使って侵入してきている。どうしてそんなことができたのだろうか。
いつものイスラエルなら空からも通信システムを使っても、そしてAI監視機能付きのスマートウォールのようなものを使っているので、監視システムが動作するはずだ。もし本当にイスラエルの主張通りそれを感知できなかったとしたら、それはその通信システムで使っているチップに何かあったのではないかとやはり考えざるを得ない。
あとは諜報機関からも情報が入っていないとしたらそこも疑わしい。なぜか。イスラエルの諜報機関モサドというのは世界最強の諜報機関だと言われていたのだが、そこで何か起こっているわけである。では何が起こったのか。振り返ると3年前のニュース、2021年だったが、ソフトバンクがなぜかモサドの元長官を、確か年俸6億だったと思うが、引き抜いている。
これは奇妙ではないか。通信企業ソフトバンクがどうして諜報機関の元長官を雇わないといけないのか。何かやましいことでもしているのか。普通の企業、まともな企業なのか、何故そこと繋がらなければいけないのか。その後何があったかと言えば、トルコで35人ものモサドのスパイが捕まってしまう。2021年、モサドの長官がソフトバンクに転職した後になぜか次々とモサドの諜報員が逮捕されている。そして2024年に量刑が言い渡されるわけだが、極めて不思議である。
こういう一連のことを考えると、このモサドの諜報能力が下がったというのは、現場の工作員、情報員が次々と逮捕されたためではないか。このトルコの事件はニュースになっているので見えているが、そうではなくて普通に殺されているとか、逮捕されてニュースにもなっていないという件数はこの倍以上はあるはずだ。そうやって世界最強と言われたはずのモサドの諜報能力は下がっている。
そしてチップの設計でも強いはずのイスラエルが製造はしないので台湾に頼っている。それなのに彼らの誇りに思っているスマートウォールとかAI監視機器が全然作動せずになぜか一年前の10月7日のハマスの侵攻を知ることができなかった。ここも色々議論があるのだが、イスラエルの主張によると、彼らは感知できなかったという風に言っている。そう考えると、元長官から情報が漏れている、情報が漏れている先はあいつか、そのバックグラウンドはチップを製造している浙江財閥と繋がっているのかということになる。
こう繋がっていくとやはりアメリカのインテリジェンス・コミュニティでも今はもうTSMCはアメリカの敵という風に認識されているので、案の定となってしまう。実は台湾がアメリカを裏切っている、アメリカだけではなくて、自分たちがキングメーカーとなるためにいろんな国を騙しているということをもう今は把握しているわけだ。このTSMCが世界各国の紛争でどちらを勝たせてやるのかは自分たちの力次第なのだということをやっている。
さて、TSMCがこうやってアメリカやいろんな国を翻弄している、そのチップにはスパイチップが混ざっている、ということを実は萩生田氏は2022年の12月時点でご存知なのだ。皆さんは覚えているだろうか。萩生田氏がブログで私に対して自民党からの脅迫状を送ってきてこれは何なのだと問い合わせると、萩生田事務所側がこれは自民党と連携して送られたものだ、深田萌絵が悪いと言った。
けれどもこの写真を覚えているだろうか。萩生田氏とマーシャル博士との面談の時の写真だが、この時に何の話をしたのか、それが重要だ。このマーシャル博士はアメリカの国家安全保障局の元高官で、TSMCがアメリカを裏切っている、だから日本も気をつけなければならないという話を萩生田氏にしに来たのである。
その背景に、アメリカがTSMCに対して疑問を抱くような出来事が何度かあった。そして決定的に裏切られたことが分かった瞬間があった。数年前、演習中にF16戦闘機3機が、突然通信が途切れてどこに行ったか分からなくなった。F16がそのまま連絡が取れないと燃料が切れて墜落してしまう。だから緊急発進して米軍は目視でF16の3機を探し、飛んでいるところを見つけて空中給油機を飛ばして給油し、なんとか3機を米軍基地に戻した。事故が起こらなかったとはいえ、なぜ通信が途切れたのかということを調査するためにこの3機を回収して中の通信機部分を検査した。
するとTSMCが製造したチップから国防総省が元々そういう設計をしろとは言っていない謎の設計が入っていたわけである。設計する時には入っていないはずのスパイ回路がそこに組み込まれていたのである。その時からアメリカはTSMCに対する疑念を確信に変えたという話を2年前にマーシャル博士は萩生田氏にしている。
TSMCの裏切りを萩生田氏は知っていたわけだ。詳しくは『IT戦争の支配者たち』に書いているが、この本は単なるITの話をしているわけではない。ITを通じて本当の戦争を支配しているのは誰なのかということを書いている。ぜひ読んで欲しい。
そういうことをマーシャル博士は萩生田氏に話をしたけれども、萩生田氏はそれを踏みにじってアメリカにはいい顔をしながら未だに裏では反米国家を助けているということである。
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