「無」ってなんでしょう?By蟹ノ尻尾

突然ですが、「無」ってなんなんでしょう。
 
 皆さんは「無」をイメージできますか? 多くの人は真っ白、もしくは真っ黒な空間を思い浮かべるんじゃないかと思います。でも、それは白、黒という色がありますよね? じゃあそれは「無」ではないんじゃないか、と私は思うわけです。
 
 色が駄目なら透明はどうでしょう。透明に色は無いですよね? でも透明も駄目なんです。透明を想像するには背景が必要になります。背景がないと透明は認識できないんです。皆さんも試してみてください。背景がなんらかの色に染まるのでは? 多分透明のみを想像することは不可能です。……白とグレーの市松模様? 透過素材は駄目です。とにかく「無」には姿形、色などがありません。
 
 じゃあ、なにも考えていない状態は「無」なのでしょうか。なにも考えずにボーっとしていると、記憶が飛んだりしますね。ですが、目や耳などは周囲の情報を絶えず頭の中で処理しているので、完全な「無」ではないですね。じゃあ死んでしまったら? 何も考えられない。何も認識できない。思考の世界のみで考えるのであれば、これはかなり正解――「無」に近いのではないか、と私は思います。
 
 ところで、物理学における「無」は、時間と空間自体が存在しない状態だそうです。これを踏まえて考えると、空間と時間の中に生きる私たちは「無」になれない。そもそも、「無」を認識できない可能性すらあります。

 「無」は存在しないことだが、「無」は存在する。最後にもう一度。「無」ってなんなんでしょう。
 
 以上、国語の教科書みたいなものが書きたかった、蟹ノ尻尾でした。

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