メモリアルワールドーハイネとルシェー
夜が訪れる。
私は夜はどうも苦手だ。
何故なのかは憶えていない。
梟の目を潜り抜け、私はナータス地区の夜の散歩へと出る事にした。
「……怪物がそこらにいるけど…まぁ、この抜け道を使えば分からなさそうね」
ばさばさと羽根の音が聞こえ、私の目の前に降りてきたのは赤髪に褐色肌、白い羽根の男だ。
此処、メモリアルワールドには種族は4種類存在する筈。
私みたいな人間、動物、人形、そして妖精。
男に声を掛けてみる。
「あら………あなたは…?」
「オレぁルシェってんだ」
「ルシェさん