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成人男性がプリキュアにハマった話。


はじめに

※この記事はこの動画の一部を抜粋しています。(画像タップで動画に飛べます。)


こんにちは。藤本ヒロシと申します。

突然ですがこの記事を見ている皆さんは「プリキュア」を知っていますか?ご存知の方も多いでしょう。

日曜の朝にやってる女の子が見てるアニメですね。



そうです。小さな女の子が見るアニメです。

本来4~9歳の女児向けに作られている作品がプリキュアなのですが、タイトルにもある通りバチボコに社会人で納税者で成人男性の僕は現在進行形でプリキュアにハマっています。俗に言う「大きなお友達」というヤツですね。

傍から見ればクッソ気持ち悪い人種であることは間違いないですね。例えるならオッサンがリカちゃん人形で遊んでるみたいなもんですもんね。この例え秀逸な気がする。今後使っていこう。

今回はそんな自覚症状を持ちつつもそのプリキュア沼にハマってしまった一人のオタクのヒストリーをこの記事に書き留めていきたいと思います。



幼少期、ニチアサを知る。


遡ること21年前。当時5歳であった僕は初めて「ニチアサ」に出会います。ニチアサとはテレビ朝日系列にて日曜日の朝7時から9時までの子供向け番組が放送されている時間帯につけられている愛称ですね。(※今は時間帯が変更され朝8時半から10時までになっています。)

その年に始まったのが「星獣戦隊ギンガマン」でした。

初めて「特撮ヒーロー」というものに触れ、そのかっこよさに当時アンパンマンしか見ていなかった僕は大きな衝撃を受け、その頃から日曜の朝は必ずテレビの前で特撮ヒーローを視聴するということが習慣になっていきました。

そんな習慣が何年も続いた2004年、当時11歳だった僕はそこで初めて

「プリキュア」に出会います。その年に放送していたニチアサ作品は

かいけつゾロリ特捜戦隊デカレンジャー仮面ライダー剣 ⇒ ふたりはプリキュア

というラインナップでした。今思えばめっちゃ豪華なラインナップですね。

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そんな豪華なライナップのニチアサの締めくくりに登場したのが「ふたりはプリキュア」でした。その時間帯はいわゆる「女の子向けアニメ」の枠で、それまでは「おジャ魔女どれみ」シリーズや「明日のナージャ」が放送されていました。当時の僕はその枠のアニメに対して「見てはいるけどそこまで熱心には見ていない」くらいの熱量でした。まあ男の子なのでやっぱり戦隊ヒーローと仮面ライダーの方に興味があったんだと思います。今は逆ですけど。

ただ特撮ヒーロー大好きっ子だった僕にとって「ふたりはプリキュア」という作品は今までの女の子向けアニメとは一線を画す内容でした。

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まずオープニングのここ。

かっけえ。

今までの魔法少女感ゼロ。ZERO。素手やん。ステゴロやん。

え、これ女の子向けのアニメなの?

そしてここ。

かっけえ。

男の子がワクワクして目を輝かせる演出やん。

そして本編。

かっけえ。

女の子向けのアニメで名乗り口上すんのかよ。歌舞伎かよ。

そして必殺技。

かっけえ。

雷属性とか一番グッと来るヤツやん。しかも黒と白とか中二病になるわ。



という感じで女の子向けアニメなのに男の子の心をくすぐるような演出満載で僕はすっかりプリキュアの虜になっていきました。今見返すと改めて思うんですがよくこのアニメを女の子向けアニメとして放送したな、と心の底から思います。



思春期、そしてプリキュア離れ。


衝撃のタイトル。ついさっきプリキュアの虜になったとか書きましたがその熱意を凌駕する強敵が現れました。思春期です。「ふたりはプリキュア」の続編「ふたりはプリキュアMaxHeart」が終わりその次のシリーズ「ふたりはプリキュアSplashStar」が放送されている頃、僕は14歳になっていました。

もう思春期。バッチバチの思春期でした。

特撮ヒーロー、そしてプリキュアにあんなに熱意と情熱を注いでいたのに、毎週VHSに録画してテープすり切れるまで見てたのに…

僕は思春期に入ったと同時に、「ニチアサを見ることが恥ずかしい」と感じるようになっていました。そんな経験をしてる大人の方も多いんじゃないでしょうか。精神が少し大人になり、背伸びしたくなるお年頃、「子供向け番組を見ること」は「恥ずかしいこと」という考えが脳裏に焼き付いて離れなくなり、そしていつしか興味が薄れ、僕はニチアサから、そしてプリキュアから離れていきました。まあ大人になった今では還暦間近の父親の前で毎週プリキュア見てますけど。



大学デビュー失敗、そしてスマイルプリキュア!に出会う。


時は流れ、僕は19歳になりました。

見事に大学デビューに失敗した僕は、ニコニコ動画にハマりました。

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友達が出来ない鬱憤を晴らすかのようにそれはもう毎日、大学でも時間があれば図書室でパソコンを借り、ニコ動三昧の日々を送りました。

そんな中、ニコ動のランキング上位に上がってきた一つの動画が目に留まりました。それが「キュアピース変身シーン」という動画でした。

残念ながら当時の動画は削除されてしまっているのですが、その当時「スマイルプリキュア!」という作品がニコニコ動画やTwitterを中心に過去に例を見ないレベルでバズりまくっており、その中でもこの「キュアピース変身シーン」がきっかけでキュアピースの人気が破竹の勢いで上がりまくっていました。

当時の動画内のコメントは、キュアピースのあまりの可愛さにオタクたちが語彙力を失った豚と化し「ぶひいいいいい」と叫びだす現象が起こっていました。動画のタグには「養豚場」と登録され、まさに地獄のような状態となっていました。でもニコ動っぽくて僕は好きです。

さて、前置きが長くなりましたがここで僕は「プリキュア」と再会を果たします。養豚場の中での再会ではありましたが、約5年ぶりに見たプリキュアはとんでもない進化を遂げていました。

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めっっっっっちゃ可愛い。

僕にとってのプリキュアは泥臭いステゴロ肉弾戦のイメージが強かったので、この可愛いビジュアルに非常に強いギャップを感じ、「ああ、これが浦島太郎状態ってことなのか…」と何とも言えない焦燥感を味わいました。

ただ、この時の僕はキュアピースの変身シーンをきっかけにスマイルプリキュア!の存在を知っただけで、本編の内容は全く知りませんでした。

ここまでニコ動やTwitterで騒がれているのなら見るしかないだろう、と僕は久々に日曜日に早起きしてプリキュアを見ることにしました。ただ「当時の男の子心をくすぐられた『ふたりはプリキュア』のようなカッコ良さはもう無いんだろうな…」と漠然と失望感も覚えつつ8時半を迎えました。


その時見たのが後に伝説として語られる、

スマイルプリキュア第22話「いちばん大切なものって、なぁに?」でした。肝心の本編の内容なのですが、今まで裏でプリキュアの活躍を傍観しているだけだった敵幹部である「ジョーカー」が満を持して戦闘に参加します。

悪そうな顔。まあ実際悪いやつなんですけど独特の愛嬌があるキャラクターで一部では人気があったりします。そんなジョーカーはプリキュア達の全力の猛攻撃を跳ね返し、プリキュア達は敗北、さらにプリキュア達の仲間である妖精の「キャンディ」が奪われてしまいます。圧倒的な力の前に恐怖するプリキュア達ですが、ジョーカーはそこからさらに追い打ちをかけるように言葉巧みな精神攻撃を行います。

こっっっっわ。

いやこっっっっっっっわ。日曜の朝に、しかも子供向け番組で放送しちゃダメなやつだよ。さっき「ふたりはプリキュア」に求めてた肉弾戦がどうとか言ってたけどさらに過激になってるじゃねえか。子供泣くわ。そりゃニコ動で騒がれるわ。


…ということで浦島太郎状態どころか当時のインパクトを大きく凌駕する特大のインパクトを僕はスマイルプリキュアに突き付けられました。この回はその後、プリキュア達は絶望に打ちひしがれるもののジョーカーに奪われた妖精のキャンディを救う為に再度奮起し、敵地に乗り込む決意をする…というところで終わります。

こんなん来週も見るしかないやん。

元々女の子向けアニメらしからぬ熱い演出に惹かれてプリキュアを見始めた僕にとって、「大敗北した後に仲間を救う為に敵地に乗り込む」というド直球の王道展開に、僕の中の思春期の羞恥心はどこかに吹っ飛んでいました。




伝説の熱血戦闘回、そしてプリキュア沼へ。


ふたりはプリキュアとは違った意味で衝撃を受けたスマイルプリキュア22話でしたが、翌週に見た23話はそこからさらに僕をプリキュア沼へ引きずり込む回となりました。

この時に見たのが、

スマイルプリキュア第23話「ピエーロ復活!プリキュア絶体絶命!!」でした。前回、絶望を乗り越え敵地に乗り込む決意をしたプリキュア達は、主人公のキュアハッピーを除く4人が敵組織の幹部達とそれぞれ1対1の戦いに挑み、キュアハッピーはキャンディの救出に向かいます。

ジョーカーさんがいい感じに気持ち悪いですね。

しかし戦いは敵勢力の猛攻が続き、プリキュア達にピンチが訪れます。

女の子涙目。

しかしプリキュア達はキャンディを救う為、そして「みんな一緒に帰る」という約束を果たす為に再び立ち上がり、反撃を仕掛けます。

ここからの戦闘シーンが本当に神。

個人的に物事を評価する時に「神」って使う人、あんまり好きじゃないので出来れば使いたくないんですけどこれは神。圧倒的に神。正直画像だけだと全然この戦闘シーンの魅力が伝わらないのでぶっちゃけこの記事今すぐ閉じてTSUTAYAにダッシュして欲しいレベル。いや本当に。このシーン見てくれたら僕の伝えたいことは全部伝わるのでもうこの記事読まなくていいです。

その後プリキュア達は敵幹部に勝利し、キャンディを救出。敵のボスであるピエーロが復活するものの危機を乗り越えたことにより新たな力を手に入れ、ピエーロを撤退させこの回は終わります。

この回を見終えた僕は、スマイルプリキュアという作品が「ふたりはプリキュア」から何も変わらない、というよりむしろ可愛さや華やかさなどの見た目はもちろん戦闘シーンや演出をも時代とともにさらに進化させた作品であることを知りました。女の子に好かれるような可愛いビジュアルであっても、当時男の子心をくすぐられたあの泥臭い、熱い展開は確かにそこにありました。そこから僕は毎週日曜日はテレビの前にかじりつく、「大きなお友達」としての第一歩を踏み出したのでした。



プリキュア全シリーズ視聴の旅へ、そして現代。


それからというもの、僕は成人したことも忘れプリキュアにのめり込みました。そしてスマイルプリキュアが最終回を迎え、その次のシリーズである「ドキドキ!プリキュア」が始まり、僕はプリキュアはシリーズごとに違う魅力があることに気付きます。その気付きをきっかけに僕は過去に放送されたプリキュアシリーズへの興味が大きくなり、就活中だということも忘れ初代から最新作までTSUTAYAで少しずつDVDをレンタルし、全シリーズの視聴を始めました。

その当時で約400話分、毎日2~3話ずつ視聴し、それとは別にそれぞれのシリーズ劇場版やオールスター映画作品など、プリキュアと名の付く作品は全て網羅しました。すべて見終えるのに半年ほどかかりましたが全く苦になることはなく、むしろますますプリキュアの魅力にハマっていき、毎年放送される新しいプリキュアに一喜一憂しながら現在に至ります。ちなみに就職はちゃんとできました。良かった。




ここまで長々と書いてきましたが、僕は幼少期に出会った「ふたりはプリキュア」、そして大人になってから出会った「スマイルプリキュア!」に「プリキュア」は男でも、そして大人でも楽しめる作品であることを教えてもらいました。今回は戦闘シーンや熱い演出ばかりをピックアップしてお伝えしましたが、他にもプリキュアの魅力はたくさんあります。キャラクターの可愛さはもちろん、人情時代劇ばりの人情味あふれるお話だったり、涙なしでは見られない友情が見られるお話だったり、最近では直接的ではありませんがジェンダーレス、多様性の尊重なんかを取り上げたお話など、考えさせられる内容のお話も多々あります。

ただ世間の目から見れば僕は女の子向けアニメを熱心に見ている気持ち悪い人種であることは間違いありません。客観的に見れば僕もそう思います。オッサンがリカちゃん人形で遊んでるみたいなもんですからね。それでも、たとえそんな目で見られようとも素晴らしい作品たちに出会えた僕は幸せだと思っています。

別に僕はこの記事を通して「プリキュアを見ている大人」への悪いイメージを変えようだとか大それた願いがあるわけではありません。

ただ「そんな人種もいるんやな。ほーん。」くらいに思っていただければそれだけで僕は嬉しいです。先ほども書いた通りプリキュアはシリーズごとに違う魅力があり、それぞれのシリーズを一つ一つ説明すると日が暮れてしまうので今回は割愛しますが、どのシリーズも本当に素晴らしい作品ばかりです。もしこの記事を通して少しでもプリキュアという作品に興味を持っていただければそれはもう泣き崩れるレベルで嬉しいです。


改めて、になりますが長々と書いてきましたがここまでこの記事を読んでいただき本当にありがとうございました。もしこの記事でプリキュアに興味を持って下さった方がいらっしゃいましたら、是非どのシリーズでも構わないので見てみて下さい。その素晴らしい作品たちを通してあなたの心が豊かになることを、心から願っています。



ちなみに現在放送しているスタートゥウィンクルプリキュアのメンバーの中だと僕はキュアセレーネ推しです。

※画像タップで動画に飛べます。



藤本ヒロシ 2019.7.26

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