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量子理論と「意識」と「魂」の話 (前編)
我々の日常に溶け込みながらも、最も理解というところからかけ離れているもの、それが『量子理論』と言えるだろう。
これと同意義として『意識』や『魂』も同じことが言える。
これらの全てを厳密に説明し証明できる者は、現状この世界に存在していない。
この分野は今や『沼状態』と化し、技術や知識が深まれば深まる程に更なる謎を深め、我々を深淵へと誘う。
幼い愛娘を亡くしたデカルトは、その娘によく似たフランス人形を「フランシーヌ」と名付け溺愛していた。
『生物』と『機械』を隔てず同一に考える彼の思想は有名であり、その後の哲学に大きな影響を与え、今も尚、生物と機械の定義を厳密に説明はできない。
死んだ人間の質量を観測した時に『21グラム』軽くなった『魂の重さ』や、他人の意識を共有することが出来ないとする『哲学ゾンビ』、『美しい』や『可愛い』と認識する為の『クオリア』の存在など、これまでに様々な観点で『意識』や『魂』の議論がされてきた。
現状、これら全てを完結する『統一理論』は存在していない。
誰も理解してない量子理論の世界
そんな中、これらの論争を終結し得る可能性として『量子理論』で生命の謎を説く試みが、近年は注目をされている。
『量子理論』と言われても、あまり馴染みのない言葉と思われるかもしれないが、私たちの生活においては欠かすことの出来ない分野となっている。
それは「スマートフォン」や「電子レンジ」、「クレジットカードのパスワード」にビッグデータを処理する為の「量子コンピューター」と様々なジャンルでこの理論が応用されているのだ。
我々の社会で必須な科学技術は大きく分けて二つの理論で成り立っている。
それが『一般相対性理論』と『量子理論(量子力学)』だ。
簡潔に言ってしまうと、『一般相対性理論』はマクロのものに適用され、『量子理論』はミクロの分野に応用されている。
前者は惑星の軌道など目に見える大きな物であり、後者は素粒子など目に見えない小さな物だ。
我々は日常の生活で、『重力』の効果を目の当たりにし実感をすることで何となく理解していると思う(万有引力の法則)。
より複雑な『一般相対性理論』のように『光の特性』に『重力項』が加わったものになると複雑になり、我々の感覚とは乖離するものにはなってしまうが、日常生活に紐づく為に比較的に理解はしやすい。
しかし、『量子理論(量子力学)』になると、そうはならない。
それは、あまりにも我々の感覚と常識から一脱した法則で成り立っているからだ。
我々の世界で最小の単位存在とする『素粒子』は、全ての物資を形作る『原子』を構成するものだ。
『原子』とは『原子核』と『電子』で構成されており、『原子核』は更に『陽子』と『中性子』で構成されている。更にその中には『クオーク』があり、『クオーク』は『アップクオーク』と『ダウンクオーク』等がある。
これらはロシアの「マトリューシカ」の様に入りこ状態になっているのだ。
この最小単位のもを称して『素粒子』と呼んでおり、そしてこれは『粒子』であり『波動』であるという二重性という性質を持っている。
この相反する性質が共存するという不可思議な世界。
『粒子』は特定一点に存在する物であり、『波動』は波の様に広がりを持つものである。
また、『素粒子』は一つのものが同時に複数の場所に存在する事が出来(さながら分身の術の様に)、「量子すり抜け」という人間が壁をすり抜ける様な芸当もすれば、「量子テレポーテーション」をして別の空間に瞬間移動する事も可能だ。
この時点で、頭がチンプンカンプンになってしまう。
ただ、心配しないで欲しい。
この世界に、この『素粒子』の不可思議な行動を理解している者は、誰もいない。
素粒子研究の第一人者であるリチャード・ファインマンの有名な言葉に
『量子力学を理解したと言うやつは、量子力学を理解していない』
と言うのがある。
しかしながら、この法則が我々のテクノロジーを加速させ、今や宇宙の誕生の秘密やブラックホールの解明に新たな可能性を示しているのだ。
そして、この理論は『生命』や『意識』、『魂』の証明と創造にまで発展し、『量子生物学』として興味深い研究や論文がいくつも存在している。
次回は、この『量子生物学』で『意識』や『魂』の存在を考察していきたい。