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水どう藤村Dが明かす入社3年目の「転職活動」。会社との戦い方をシャープさんと語る。

水曜どうでしょうディレクター陣と人生を旅する月刊マガジン『Wednesday Style』。この記事では、チーフディレクター藤村忠寿(藤やん)と、シャープ編集長との対談をお届けします。

水曜どうでしょう新作の編集は「着々とやってますから!」

藤村:
シャープさんは、以前HTBで一瞬だけお見かけました。

T木:
「タニタ式どうでしょう」という、企業公式アカウントの皆さん、セガさん、キングジムさん、タニタさん、シャープさんの4人で詳細を教えられずに旅行に行くということをやってらっしゃって。

藤村:
そうそう。それで、オレが出社することってほぼないんだけど、たまたま出社した時に、奇跡的に嬉野さんもいて。「何してんの」って言ったら「説明すると長くなるんで、とりあえずこっちで写真撮ってください」って言われた。それでオレも何も分からずただ写真を撮って。

T木:
もうすでにサラリーマンとしてはおかしな言葉が出ています。「出社するのがほとんどない」。そういえば「新社屋で藤村さんに会ったのは初めてだった」と嬉野さんもおっしゃってました。

藤村:
あー、そうかもしれない。そのくらいのときだったかもしれない。

シャープさん:
しかもこれ、朝の話だと思われるかもしれないんですけど、昼の15時ぐらいだったと思うんですよ。

藤村:
そうでしたね。昼の15時ぐらいに出社して18時には退社するっていう。

T木:
それは3時間しか会社にいないですよね。

藤村:
うん、そうですけど。


会場:(笑)

藤村:
いやいや、外でずっと働いてるんです。会社からパソコンとかを持ってきて、いつでもどこでも編集できるようなシステムを作ってもらって。だから1か月ぐらい出張に出ている時は、それで編集してね。やってるんですよ。

T木:
失礼しました。

藤村:
何かというと「どうでしょう新作どうなってるんですか」しか言わないから!みんな!「やってますよ」っつってるのに!

会場:(笑)

藤村:
今7分ぐらい編集しましたから。

会場:(どよめき)

T木:
な、7分だと、企画発表は終わってますか・・・。

藤村:
ああ!!??? そんなこと聞くのは不粋ってもんだろう!!

会場:(笑)

藤村:
なはははは。いや、7分ていうのはアレだけどね。着々とやってますよ。

T木:
不粋な話でございました。

藤村:
そうだろう、そうだろう。

T木:
シャープさんが水曜どうでしょうをお好きだなとわかったのは、新しいオーブンレンジか何かのツイートで・・・。

シャープさん:
ビザを焼くとおいしいオーブンレンジが出たので、その製品紹介に「おいピザ食わねぇか」ってツイートしたんです。

会場:(笑)

藤村:
なるほど。それに引っかかる人が何人かいたの?

シャープさん:
いえ、何人かどころじゃないです。ものすごいリツイート数でしたよ。

藤村:
なははははは。そうなんだ。

シャープさん:
僕も思いつきでやってみただけで、こんなにウケるっていうことはあとから気づいたんです。そんなにどうでしょう好きな人がいるんだ、すごいなと思って。

藤村:
どうでしょうが随分と市民権を得てるんだと。

シャープさん:
なんて調教されてる世の中だと。あのツイートはわかる人しかわからないわけで。

内部情報は会社に聞かず、「シャープ」と検索して知る

T木:
シャープさんも今日は出社しておられないですよね。会場にお越しいただける時間をうかがったら「昼以降ならいつでも行けます」とお返事をいただきました。自然にそういう働き方になっていくんでしょうか。

シャープさん:
僕、もともとTwitter 始める時に「社員っていうのを半分辞めよう」と思ったんです。会社の内線の電話帳とかあるじゃないですか。Twitter始めるときにあれも消してもらったんですよ。あんまり連絡がつかないようにして、その分、外でウロウロしようと思った。

T木:
半分辞める。企業を背負う形ではなくて、むしろ離れる感じでしょうか。

シャープさん:
もちろん半分くらいは仕事してる感覚なんですけどね。

藤村:
なるほどね。オレ、シャープさんのアカウント全然知らなかったから見たんですけど、基本的にあまり会社と関係ないことをつぶやいてるよね。でもTwitterっていうのは文章が非常に短いから、その中でシャープさんのスタイルが出来上がってる。それが従来の宣伝をするっていうことと明らかに違うなって思った。オレらもそれは一緒ですからね。我々が最初に始めたのはホームページで日記を書くっていうことだけですから。娘がちょうど大阪の大学に行くなんていう時とか、自分たちの個人的なことを書いてた。番組とは関係ないですからね。

T木:
番組を作っているディレクターの家族の話ですよね。でも、それにすごく体温を感じるというか。

藤村:
そうなのよ。だからそういう「体温を感じる」という意味でシャープさんのやってることはすごくよくわかった。でも我々の様な弱小のテレビ局、しかも一つの番組だったらいいんだけど、それを企業の名を名乗ってやっている。それは、確かに半分辞めているつもりじゃないとできないだろうなっていう気はしますね。

T木:
「半分辞める」という中でも色々なことがあるわけですよね。シャープさんがTwitterの担当になられて8年目ですが、その中で会社が大きく傾くという事件がありました。

シャープさん:
朝、会社行く前にテレビつけたら自分の会社のことやってるんですよ。「えぇ、リストラ!?」みたいな。


シャープさん:
まぁ、知ってたところでどうしようもないんですけど。で、僕は毎日ツイートするのが仕事なので、朝の報道でその日の世間の空気が決まるわけですよ。

藤村:
そこでツイートするのはちょっとキツイよね。

シャープさん:
リプライとかでめちゃめちゃ怒られますからね。確かにけしからん話じゃないですか、千単位の人を路頭に迷わせるわけですから。で、しかもそのけしからんっていう気持ちを Twitterではぶつけやすいんですよ。「殺す」とか「死ね」とか。今はゆるくなりましたけど、僕ずっと「死ね」とか言われてたんです。


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