赤帽のクリスマス
「クリスマスの予定ですか? 仕事ですよ。」
「待ってる人とかいないの?」
「いますよ。」
「大変だねぇ。」
「そんなことないですよ。楽しみ待ってくれていますからね。」
「恋人が?」
「いえ。もっとたくさんの人が。」
「仕事、なんだったっけ?」
「え? あぁ 赤帽ですよ。」
「赤帽?」
「赤帽・インターナショナル・ジャパン。世界中の子供たちに年に一度、大切なものを届ける赤い帽子をかぶった飛行集団です。」
「それって・・・」
「そう。表向きは運送会社ですが、裏では幸せの運び屋とでも言いましょうか。」
「やっぱり。存在したんだ。」
「最近は、ブラジルの森やHAPPYHEAVENの台頭で仕事も減ったし、なんせ高齢化ですからね。」
「ほう。」
「で、今年が最後なんです。」
「え?」
「赤帽インターナショナルは日本撤退で、普通の運送会社になります。」
「時代かぁ。」
「時代ですね。」
「いいね。」と思った方、応援よろしくお願います。