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東日本大震災から13年、東北沿岸部の震災遺構視察へ行ってきました①:東電福島第一原発
日本最大の訪日外国人向け通訳ガイドマッチングサービス『Japan Guide Agency』を運営する、JGA株式会社 代表の藤原です。JGAでは「あらゆる体験をすべての人に」をパーパス(目的・存在意義)に掲げ、月間1,500組を超える訪日ゲストと通訳ガイド皆さんをマッチングしています。
令和6年能登半島地震で被災された皆さまにお見舞い申し上げます。
東日本大震災から13年が経過した東北沿岸部の現在
昨年2023年に2度、福島県へ視察へ伺いました。福島県が取り組む「ホープツーリズム」に関連して、東京電力福島第一原発が立地する福島県大熊町・双葉町、また周辺で同じく甚大な被害を受けた浪江町・楢葉町の被害状況や現在の姿を見てまわるのが目的でした。
今回、弊社JGA株式会社が、「福島県ホープツーリズム」の連携団体に認定されたことで、福島第一原発内の視察実施が可能になったため、再度2024.5.25(土)に現地に伺ってきました。また合わせて、甚大なる津波被害にあった東北沿岸部の現在を見て参りましたのでご報告します。
東北沿岸部 視察スケジュール
5.25(土)東電福島第一原発
5.26(日)相馬野馬追祭
5.27(月)石巻~宮古
5.28(火)宮古~青森
5.29(水)青森から静岡へ帰着
2023年の視察の様子は以下より。
福島県では震災遺構をめぐる「ホープツーリズム」を提唱しています。
広く「観光」ということばは、娯楽や好奇心と深く結びついた物見遊山的イメージを想起させます。しかし、ホープツーリズムでは「観光」ということばは使われません。ホープツーリズムが紹介するプログラム内容や施設は、一般に「観光」にカテゴライズされるものでありながら、「ツーリズム」ということばを選択したところに犠牲者やその家族、地域全体への深い配慮を感じます。
観光地化は、ただでさえ地域の犠牲をともないます。偏見に満ちた観光客を含め、あらゆる人々の視線と干渉を無条件に受け入れることを意味するからです。福島県による「ホープツーリズム」の提唱は、福島県民の地域感情に寄り添いながらも、外部の人を受け入れ前進しようとする試みといえます。
事実として、福島も今や最も有名な日本の地名のひとつです。
福島ホープツーリズムは、地域が負った悲しみを外部に共有するきっかけになるでしょう。同時に福島への来訪者は否応なく、今もその土地で暮らす人々の現在をめぐることになります。そのときはじめて、その土地にも自分たち同様、未来につながる現在の暮らしが存在していることに気づくのです。
福島に起こった悲惨な出来事は外部からの視線を過去に固着させてしまいます。その土地と来訪者がツーリズムをつうじて普遍的なつながりを持ち、来訪者をつうじてその土地と外部がつながること。そこでようやく、外部の人々は福島の現在と未来に目をむけ、ともに前進をはじめることができるように思います。
被災地を「観光」として訪れることに違和感や反発を抱くのは受け入れ地域側だけではありません。訪れる側にも覚悟が必要になります。福島県が「観光」ということばを使わず、「ホープツーリズム」ということばを掲げてくれたことは、地域内外それぞれにとって幸福なことだったといえます。
ホープツーリズムということばには、未来への目線があふれています。
2024.5.25(土) 東京電力 福島第一原発内視察
福島第一原発内視察は午前と午後の各回・団体ごとに実施されており、私たちは午後の回を予約しました。当日はいわき駅から車で富岡町にある「東京電力 廃炉資料館」へ伺いました。
福島第一原発内視察の様子
廃炉資料館に到着後は震災関連の動画視聴、身分証のチェック、福島第一原発内見学にあたっての注意事項などガイダンスを受けた後で、金属探知機検査等を経て、東電が用意した大型バスで現地に向かいます。
福島第一原発敷地内ほとんどのエリアではすでに防護服やマスク着用は不要で、1-4号機まで40mほどの距離にある屋外デッキでバスから降車しての見学が可能でした。
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視察終了までに受ける放射線量は歯医者さんでのレントゲン1回分程度
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※施設内は筆記具・メモ帳以外の私物持ち込みができず、画像は東電さんが撮影して公開許諾を受けた数枚のみとなります。
当日の視察コース
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視察を終えた感想として、東京電力さんとしての事故の反省に加え、事故後の対応や現在の状況説明、廃炉作業の進捗と今後の見通しについてを真摯に伝え、広く公開・共有しようとする姿勢が見られました。
ただ一方で、事故から13年経ってもまだ原子炉建屋内のデブリ除去作業はその端緒についたばかりで、今後40-50年にわたって続いていく廃炉作業の道のりの途方もなさを感じる時間でした。
原子力発電は中長期的にはなくなっていくべき
私個人は従来から原子力発電は中長期的には廃止すべき、ただ短期的には利用やむなしと考えています。今回福島第一原発視察をつうじて改めて、原子力発電は50-100年といった中長期的には廃止すべきという考えを強くしました。
廃止すべき理由はただひとつ、何かが起きたときのリカバリーコストが高すぎるからです。日本のような災害大国において、福島第一原発同様の事故は必ずまた起きます。事故やミス、エラーはかならず起こります。
事故が起きること、ヒューマンエラーを含む不測の事態は本来、当初から計画に盛り込むべきものです。原子力発電における最大の問題は、そのリカバリーコストが当初計画に盛り込めないほど高い点です。原子力発電事業において、「事故やミス、エラーはかならず起こります」とは口がさけてもいえないのです。
それがどれほど魅力的に見えたとしても、事故やミス、エラーのコストが計画に盛り込めないほどに高すぎる事業に手を出すべきではありません。事故やミス、エラー、不測の事態ははかならず起こるからです。
2024.9月 福島第一原発同型の女川原発再稼働
2024年9月頃に、福島第一原子力発電所同型「沸騰水型軽水炉(BWR)」の女川原発2号機(宮城)の再稼働を見込んでいます。
※福島第一原発事故後に再稼働した日本国内の原発はすべて加圧水型軽水炉(PWR)をもつ12基で西日本に立地。
私個人は従来から原子力発電は中長期的には廃止すべき、ただ短期的には利用やむなしと考えています。女川原発2号機再稼働についてもやむなしと考えています。
ただし、今回の福島第一原発視察をつうじて改めて、原子力発電は50-100年といった中長期的には廃止すべきという考えを強くしました。
福島第一原発視察後、前回の視察でも訪れた双葉駅周辺や請戸小、道の駅なみえを改めてまわりました。
2024.5.26(日)相馬野馬追祭
福島第一原発視察翌日は南相馬市で開催されていた相馬野馬追祭に行ってきました。すごい人出と熱気でした。
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お祭りの後は石巻まで移動して宿泊しました。
以上です。これ以降の訪問地の様子は以下で紹介しています。
5.27(月)石巻~宮古
5.28(火)宮古~青森
5.29(水)青森から静岡へ帰着
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社名:JGA株式会社
静岡県知事登録旅行業 第2-706号
本社:静岡県静岡市駿河区石部25-7
設立:2013年
資本金:1,000万円
代表取締役:藤原 一成