映画「人間失格 太宰治と3人の女たち」レビュー
大量の絢爛な花、花、花。赤や青の独特な美学を纏った蜷川カラー。妖艶な3人の女優によるしたたかな怪演。祭り太鼓の鼓動のような重低音からラストの意表を突いた東京スカパラダイスオーケストラの踊りたくなる裏打ちビート。ワンシーンごと切り出せば、作品になってしまいそうなアーティステックな構図。そんな、さまざまに仕掛けられた映画を観た後は、間違いなく夢でうなされるだろうと確信した。
過去に私は、映画を観たあとに知恵熱を出しうなされたことがある。その映画は、ひとつはフェリー二の『8 1/