ブラッシュアップしてきたブロックで、再びスターターへ OL#77張 リャンユッ②
9年目を迎える張 リャンユッ。今季は再びスターターの座を奪取すべく、練習やトレーニングに励んでいます。そんな張の魅力は、持ち前の機動力を活かしたプレーです。特にランプレーでは、逆サイドに回って相手ディフェンスの2列目以降を抑えにいくプレーが決まると嬉しいと話します。
「いつもとは違った動きで刺激的なのと、相手のラインバッカーを抑えて、その脇をランニングバックが走っていくと、気分が上がります。ビッグプレーにつながりやすく、僕らラインが目立つのでやっていて本当に楽しいんです」。
ベテランと呼ばれる年齢になり、オフェンスラインのメンバーを引っ張っていくことも徐々に意識し始めています。
「これまで小林さん、勝山さんに引っ張ってきてもらったので、少しでも近づける存在になりたいですね。経験があるからこそ言えることはたくさんありますから、一緒になって頑張っていきたいです」。試合に出続け結果を残し、チームを引っ張ってきた2人の先輩。その大きな背中が目標となっています。
一方で、良いものがあれば先輩、後輩関係なく「吸収していきたい」と自身が成長するためには貪欲に取り組んでいます。特に社会人になってからは「毎日が目からウロコだった」というようにファンダメンタルが向上しました。
「それまでも基本的な動きは意識してやっていましたが、力やスピードでなんとかなっていた部分もあったんです。フロンティアーズに入ってからは、手の出し方や入れ方、ブロック1つでこれだけ考えることがあるんだと、意識が変わりました」。今ではプレーする上で一番大切にしているそうです。
答えはひとつじゃない
怪我を経験したことで、周りからのアドバイスも大事にするようになりました。それまでは、自分が信じることに、ひたむきに取り組んできましたが、怪我をしてリハビリをする過程で「自分だけの考えでは、どうにもならなかった」と、トレーナーからのアドバイスで良い方向に進んだことで意識が変わったといいます。
それからは「自分が課題としていることと、コーチが僕に求めていることが違ったら遠回りになる」と、コーチともコミュニケーションを密に。「答えはひとつじゃない」、柔軟に考えることで新たな気付きがたくさんあったと話します。
仕事とアメフト。どちらちも全力で取り組むフロンティアーズの面々。ベテランになれば、選手としては1年1年が勝負です。中途半端な気持ちではできない仕事と選手の両立。モチベーションとなっているのは何か、聞いてみました。
「単純にアメフトが好きというのがあります。それと同じくらいフロンティアーズのメンバーとの関係もありますね。良い意味で居心地の良い関係が作れているんです」。いろいろなことが話せる間柄ながら、練習となれば緊張感を持って接するライバルであり仲間。それがフロンティアーズの強みにもなっています。