今しかできないことに全力勝負 RB#21三宅昂輝②
2023年は、尊敬できる存在であり、ライバルでもあるトラショーン・ニクソン超えを目標に掲げているRB#21三宅。そのために、「やらなきゃいけないことは山積み」ですが、いまテーマにしている1つが、カットバックの強化です。カットバックとは、タックルを避けて長い距離をゲインするために、重要となる走る方向を変える技術。ランニングバックにとって、見せ場といってもいい瞬間です。
「ディフェンスと1対1になった時を想定して、いろいろな動きをイメージしながら練習しています」。社会人になってからはチームの全体練習の前に1人でカットバックの練習をするようになりました。「歩数にこだわって、状況に応じて最適なステップを踏めるように体に覚え込ませています」。学生時代から定評のあるスピードと、強化しているカットバック。2つの武器をさらに高いレベルへと引き上げることが、現在のテーマとなっています。
仲間とつかむタッチダウン
そんなランニングバックというポジションに、どんな魅力を感じているのでしょうか。「ボールを持って走るのは自分ですが、オフェンスラインやワイドレシーバーなど、周りのメンバーがブロックしてくれて、はじめて走る道ができます。自分1人ではなく、オフェンスチーム全員で1つのプレーを遂行するところが面白いんです」。相手ディフェンスが近くにいない時ほど、オフェンスメンバーのブロックが効いてる証。オフェンス一丸でタッチダウンを取りにいく、そんな結束の中にいるのが醍醐味となっています。
社会人2年目のシーズンを終え、フットボールに対する意識も変わってきました。「入社した頃は休みがなくしんどかったですね。練習も仕事も慣れていない部分がありましたから。でも学生とは違って、社会人でフットボールができるのは限らた人です。そしてフロンティアーズは、フットボールに本気で取り組んでいるメンバーばかり。仕事とフットボールの両立は、本当に大変ですが、“今しかできない”と思うと、頑張れるんです。そんな環境にいることに、今は感謝の気持ちでいっぱいです」。
学生時代から目の前の1戦1戦に集中するのは、フロンティアーズでも変わらないルーティーン。趙や高木をはじめチームのまとめ役からは、「心に響く言葉をもらい自信にもなっている」とも。このメンバーで勝ちたい、そんな思いも強くなっているのです。
2年目の2022シーズンは、番号を「1」から高校2年の時から付けてきた「21」へと変更しました。「学生時代から付けている愛着のある番号で、「21」といえば三宅と思ってもらえるような印象に残るプレーをしていきたい」。ニクソン越えの大きな目標を掲げる2023年シーズン。1プレー1プレーに注目してください。