見出し画像

成功率100% セミファイナルで4本のキックを決めたK#5納所幸司

ファイニーズとのセミファイナルで4本のフィールドゴールを決めたキッカーの#5納所。1Qの1本目は42ヤード、前半終了間際には29ヤード、後半は49ヤード、4Qには仕上げの40ヤードと、この日は成功率100%。1試合で4本のフィールドゴールを決めたのは初めてのことでした。
「練習から1本1本を大事にすることを意識してやってきたので、それが結果に結びついて自信になりました。今日のゲームでは1Qの1本目を決められたので乗っていけました」と振り返ります。

ホルダーの#13高津佐隼矢とは息がピッタリ合っている

そのキック成功のポイントは、ホルダーの#13高津佐、スナッパーの#6徳茂、そしてフロントのメンバーを信頼して「いつものリズムで、普段通りに蹴ること」と話します。
また後半には49ヤードと距離のあるフィールドゴールにもトライし、見事に成功させました。「プレーコールしてくれたコーチ陣に感謝ですね」。これまではパントやギャンブルといったプレー選択も見られていたシチュエーションですが、この日はフィールドゴールを選択。チームから信頼が増していることがうかがえます。

このゲームでは抜かれればタッチダウンという状況でタックルも決めている

1Qにはキックではなくタックルでもチームに貢献しています。フィールドゴールで得点した直後のキックオフで、ファイニーズがフィールド中央までリターン。1対1になり、抜かれればタッチダウンという状況で見事なタックルを決めたのです。
「頭でいかないように、うまく体を守りながら止めることができた」と振り返る納所。18年にタックルした際には脳震盪を起こし、それが原因で19年シーズンは丸々1年休むこととなった過去を持つだけに、簡単ではないタックルだったのです。

今季は長年キッキングチームの中心だった西村豪哲が引退し、周囲から「キッキングが課題」ともいわれ「シーズン開幕前はプレッシャーがあった」と話します。それでも「自分のやるべきことをやれば結果につながる」と、入社8年目でようやく回ってきたチャンスに、やりがい、楽しさも感じています。「フットボールでは無名な大学からきて、こういう環境でやれているのはありがたいこと。諦めずにやり続けて良かったです」。
ライスボウルの大舞台でも「普段どおりに蹴ることを第一に考えたい」という納所。他のキッカーよりも重くずっしりとした音がする、インパクトにも注目してみてください。