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毎日の仕事に新しい視点を!富士通デザインセンターのデザイナーおすすめ本
仕事に役立つ本を読みたいと思うけれども、気が付くといつも同じような本を手に取ったり、ネットサーフィンで時間をつぶしてしまうことはありませんか?新しいことを学ぶ機会があっても、いざ手を付けるとなると何から始めようかと迷う方は多いと思います。
富士通の公式サイト「富士通のデザイン」には、デザイナーが仕事に役立ったおすすめ本を紹介した記事が3本あります。
中堅編、若手マネージャー編、入社3年以内の若手編のそれぞれに3名ずつのデザイナーが、思い入れがある本について熱く語りました。
そこで紹介した本はデザインのほか、マネジメント、「ものをつくる」ことを考えるきっかけ、社会課題など幅広い分野にわたっています。
noteでは記事のダイジェスト版をお送りします。
中堅デザイナー編
『誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論』~
デザインを学び始めたころの原点を思い出して背筋が伸びる本
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美術大学で情報デザインを専攻した富士が学生時代に読んだこの本は、デザインについて認知科学の観点から解説しており、使いやすい/使いにくい、分かりやすい/わかりにくいと感じる理由を事例とともに紹介しています。
良いデザインとは何か、デザインするとはどういうことか、などデザインの入り口となる1冊です。
(※富士が紹介しているのは旧版です)
『ノンデザイナーズ・デザインブック 第4版』『なるほどデザイン〈目で見て楽しむ新しいデザインの本。〉』
~この2冊がデザイン職へ異動するきっかけになり、自信をくれた
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MIKIが紹介した2冊は、いずれも前職でデザイン職を目指していたころに出会った本。
「ノンデザイナーズ・デザインブック」は『ノンデザイナー』とタイトルに入っているだけにノンデザイナーがデザインノウハウを知るための入門書で、資料制作のヒントもたくさん盛り込まれています。
「なるほどデザイン」は目的によってアウトプットが異なることを事例とともに説明しています。どちらも事例と解説を両輪に、使えるデザインを紹介した本です。
『正しいものを正しくつくる―プロダクトをつくるとはどういうことなのか、あるいはアジャイルのその先について』~不確実の海を泳ぐための勇気をもらえる本
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プロダクトマネージャー(PdM)を務めている吉川が紹介したのはアジャイル開発に関する本です。
不確実性が高い中で進めるアジャイル開発においては、強いチーム作りと小さな失敗と修正を繰り返すことが重要ですが、不確実性・小さな失敗といった、ともすれば心折れるような状況において、知識だけでなく勇気がもらえる1冊だと語ります。
元の記事はこちら >>
若手マネージャー編
『何度も読みたい広告コピー』~キャッチコピーとデザインがギュッと詰まった事例集
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ハードウェアのデザインに携わる星が選んだ1冊は広告コピーの名作が多数収録されている事例集。
それぞれの作品には、担当したコピーライターの解説が添えられており「なぜ、そのようなアウトプットに至ったのか」を知ることができます。お客様に向けての言葉だけでなく、チーム内に向けてのメッセージングにも参考になる1冊です。
『選択の化学 コロンビア大学ビジネススクール特別講義』~
なぜそちらを選ぶのか。自分が選択をする際にも他人の選択を理解するうえでも役立つ
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業務において、キャリア形成の分岐点において、誰もがそのつど「選択」しながら前に進んでいます。また、立場が上になると、周囲の「選択」に立ち会う機会も増えてきます。
森下が選んだこの本は、選択に関するさまざまな実験結果が紹介されており、「選択」「選べる自由」について新たな発見があります。選択や多様性について、理解が深まるきっかけになると思います。
『陰翳礼讃』~谷崎潤一郎からデザインの視点を学ぶ
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揖が選んだ1冊は、初版が90年ほど前の古い(そして有名な)エッセイです。
生活様式の西洋化が急速に進んだ当時の日本において、失われつつあった日本独自の美しさについて言及しています。日本家屋特有の暗がりと、その暗がりで映える工芸品(漆や螺鈿細工)の美。日本家屋に訪れた経験がある方なら、その体験と90年前のエッセイの描写がぴたりと重なる瞬間がやってくるかもしれません。
入社3年以内の若手編
『Form Design Patterns ―シンプルでインクルーシブなフォーム制作実践ガイド』~誰もが入力しやすい入力フォームの辞書
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Webサイト制作において、デザインと実装は切り離せません。サイト上で実現できないデザインには意味がないからです。
横田おすすめのこの本は、フォームデザインに特化し、UIとソースコードの両方を記載した実装の即戦力となる本です。またタイトルにある通りインクルーシブな(すべての方に配慮した)フォームについて、たとえばスクリーンリーダーを使うと、ユーザーにはどのように聞こえ、解釈されるのかが解説されています。
『ソーシャルデザイン―社会をつくるグッドアイデア集』~自分がモノを作る理由を与えてくれた本
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ソーシャルデザインをテーマに、社会課題を自分ごととしてスケールダウンした解決アイデア・事例が紹介された本です。
社会課題というとついスケールの大きなものと考えがちですが、自分でもできそうな小さな一歩がたくさんあるのだと気づくきっかけになると坂井は語ります。タイトルにソーシャルデザインとありますが、デザイナーに限らず多くの人におすすめできる本です。
『ポリティカル・コレクトネスからどこへ』デザインが差別を助長していないか考えるヒントに
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廣澤が挙げたこの本では、「ポリティカル・コレクトネス」という言葉がどのように扱われたかに触れつつ、その先への問いを投げかけています。ジェンダーやルーツ、身体や認知の特性など、社会構造が起こす差別について丁寧に取り上げています。無意識のうちに差別の構造を自らの表現やコミュニケーションに取り込んでいないか。倫理や規範を考え続ける入り口となる1冊です。
気になった本があれば、富士通のデザインサイトの元記事もぜひお読みください。
新しい出会いがきっと見つかると思います。
※本記事の元記事となった、公式サイトの部署名・肩書は取材当時のものになります。