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都市とバーチャルの交わり:「Bazariba」と都市XRの性質

こんにちは。fujitoです。
普段はバーチャルから建築まで空間をデザインしており、VRワールド制作やARコンテンツ等に取り組みながら都市XRという分野でも活動しています。

今回はその中でも開発中のプロダクトBazaribaについての取り組みについて紹介したいと思います。


Bazaribaとは?

Bazaribaのご紹介をします。「Bazariba」は、私たちが制作しているスマートフォンやタブレットで体験する都市XRサービスです。

近年の情報取得は自分好みのものに偏りがちですが、都市の身体性に着目し、そのポテンシャルを活かし、人と情報をどうつなぐかをテーマにしています。

バザールで掘り出し物を見つけるように、フィジカルな都市の中でバーチャルオブジェクトとの偶然の出会いを楽しむような体験を設計しています。

タブレットでの体験の様子

Bazaribaは「BAZZAR(バザール)」+「AR」+「ba(場)」の造語なのですが、2024年の「enXross」のイベントにおいて、AR技術を活用したクリエイターフェスのユースケースとしてこのアプリを発表し、パートナー特別賞として、Niantic賞を受賞しました。

enXross

また Bazaribaを使った一連の開発のユースケースとしての取り組みをMetaverse Japan Hackathon 2024において、最優秀賞として評価いただいています。

Metaverse


Bazaribaの仕組みとしては、VPS(ビジュアルポジショニングシステム)とWEBアプリケーションを組み合わせた技術を活用しています。

ユースケース XRMall
ユースケース Bazariba in TDC

広大な敷地内で、ユーザーがブースに近づくのではなく、ブース自体がユーザーに近づいてくるというインタラクションを採用していたり、
ブースの種類を多様化することで、均一な空間にならないよう、個性的で豊かな空間とするなど、ユーザー体験にも配慮しています。
またユーザーが気に入った作品に対して追加のAR演出を行ったり、その様子をSNSでシェアできるように考えていて、ユーザー同士の交流や自分の「スキ」を周りに広めたりできることを考えました。


XR PARADEへの出展

そんなBazaribaですが、10/14までTNXRによる「XRPARADE」というイベントにおいて、デモ体験ができるプロトタイプを展示出展させていただいておりました。

たくさんの方のご来場ありがとうございました。

このイベントは、TOKYO NODE LABの1周年記念として開催されたOPEN LAB 2024という企画のうちの1つになります。

開催概要
会期:2024年10月4日(金)~10月14日(月・祝) 
会場:虎ノ門ヒルズ ステーションタワー B2階ステーションアトリウム
都市XR実装コミュニティ「TNXR」
TNXRは「TOKYO NODE “XR HACKATHON” powered by PLATEAU」参加者を中心とした都市XR実装コミュニティです。


一級建築士によるXRクリエイティブユニットFujitoMatsubaraによる制作

BazaribaはFujitoMatsubaraという一級建築士によるXRクリエイティブユニットで制作しています。

私たちは、都市のもつ身体性やポテンシャルに着目して、都市空間を舞台にした新しいバーチャル体験を提供したいと考えています。

バーチャルと都市をシームレス接続させたり、XRが消費的なコンテンツとしてではなく、日常に根差したインフラのようなものにならないかと考えています。

一級建築士として身につけた、空間構成/スケール感/仕上げ材料/力学等の知見を、XRを掛け合わせた新たな空間やオブジェクトを創出するための土台として活かしながら、敷地や空間の文脈、事業者の想いを読み取ってXRの体験として空間化していくことを大切にしてます。

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都市XRのサスティナビリティ

さて、都市XRに取り組んでいる中で、リアルの延長線上にあるバーチャル空間体験を作ることを意識していますが、最近ではBazaribaを通して都市XRのサスティナブルかつリジェネラティブな性質にも着目しています。

1. イベント運営の効率化と持続可能性

Bazaribaは、XR技術を活用してイベントの運営にかかるフィジカル面でのコストや労力を大幅に削減する性質を持っています。これにより、物理的な資源(資材の調達や運搬、会場設営など)の使用を最小限に抑え、環境に優しいイベント運営が実現可能だと考えています。ARによるブースを通じて、物理的な空間をデジタルで拡張し、建材の消費を抑え、インタラクティブで魅力的な体験を提供できるのではないかと考えています。

2. 空きスペースの有効活用

都市の空きスペースをXR技術によって活用ができると考えています。たとえば、イベントが開催されていない時間帯やテナントが入る前の真っさらな店舗スペースで、Bazaribaを活用することで、都市の持つリソースを最適化し、無駄をなくす取り組みとなると考えています。

3. リジェネラティブな要素

Bazaribaのアプローチは、ただ持続可能なだけではなく、リジェネラティブな視点も取り入れています。XR技術を利用して都市空間の再定義を行い、既存のインフラや空間を新しい形で活用することにより、環境を回復させながらも場所として活用できるのではないかと考えています。


今後のBazaribaについて

このように都市XRに取り組む中で、感じてきたことを簡単に書いてみました。展示でも「Bazariba」については様々なご意見をいただきました。また企業の方にも声をかけていただき、情報交換などをさせていただいております。

今後もブラッシュアップし、初めての人でも直感的に使いやすいアプリにしたいと考えているのと同時に、このアプリを他のイベントや場所でも活用し、都市XRという新しい分野でのさらなる制作を通じて、可能性を広げていきたいと思っています。

年内に展示が決まっているものもありますので、そちらでまた皆さんに体験してもらえると嬉しいです。それでは!!


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