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ワークショップのプログラムデザインにおけるAI活用について

これはWSD(ワークショップデザイナー養成講座)の修了生が日替わりで書くアドベントカレンダー企画に参加して書いている投稿です。
アドベントカレンダーへのリンクはこちら

概要

ワークショップのプログラムデザインをAIを使ってやってみます。最終的な出力は「ワークショッププログラム」の資料です。作業者(僕)はプロンプトを書いて、最後に資料にまとめたものをアップロードする作業だけを行います。

なるべく純粋にAIがワークショッププログラムを作ったらどうなるか?という視点で作業をします。なので出てきたプログラムに対するブラッシュアップの視点はあまり持たないようにしています。

前提

以下のようなワークショップのプログラムデザインの依頼を受けたことを想定してChatGPTを使ってプログラムデザインをしてみます。

概略…

時間:ある日の13時〜16時(3時間)
場所:某所の会議室
人数:12名

依頼内容※(星野市は架空の都市名です)

1.依頼背景
クライアントはとあるX県星野市(地方自治体)の商工振興課の職員。この部署では現在、星野市の中心にある星野駅前の再開発に伴い、駅前及び駅周辺の活性化に向けた計画づくりを進めています。計画は「星野駅前再開発プラン」で、現在は各種ステークホルダーを集めた「星野駅前再開発プラン検討会議」が開かれています。

2.ワークショップの参加者
このワークショップの対象者はこの検討会議の参加メンバーです。
この検討会議には、駅前の商店街の人や商工会議所の人、不動産屋さんや地主さん、近隣で活動するNPOの職員や市役所の商工系の部署の人や観光系の部署の人などが参加しています。
参加者はすでに一定回数の会議を重ねており、初対面の人はいませんが今までは会議でのコミュニケーションが主であったためお互いのことを知らない人もいます(よく知っている人も混ざっています)。
中にはワークショップのような対話体験の経験がある人もいますが、ワークショップが初体験の人もいます。

3.時間や場所の制約条件
ワークショップは全1回で時間は3時間です。
場所は会議室を使用します。
会議室にはプロジェクターやホワイトボードがあります。
ファシリテーターは1名のみになります。また、事前の資料配布はできません。

4.ワークショップの狙い
現在の課題は、会議での発言が互いの立場を重視し牽制しあっている内容になっており、建設的が議論ができていない点にあります。
この原因は、会議の出席者同士がお互いの理解を深められておらず、相手がどのような意図で発言しているかや、どういった価値観を持っているのかを理解できていないことであるとクライアントは考えています。そこで、ワークショップを通じて会議参加者の相互理解を深めたいと考え、依頼が来ました。

実際に作ってみた様子

▼クリックするとAIと僕のやりとりが見られます▼
https://chat.openai.com/share/30484b5e-aca7-459d-bb83-fddadde5d2e0

出力させた資料(Excelを手動でSpreadsheetに変換してます)
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1yw9_s71kozRgws7aZ18s6WwPjhV1Cybj/edit?usp=sharing&ouid=110750332963366693801&rtpof=true&sd=true


感想

使ってみた感想としては「ワークショップデザイナーとして、まだ独り立ちはまだしていないけれどアシスタントとしては割りとあり。」という感じでした。

弱点1:時間計算が苦手

生成AIの苦手領域としてよく言われる「計算が苦手」が如実に出てきます。
3時間のプログラムの時間配分を考えろ、という指示で最初に出てきたのは2時間50分のプログラムでした。
でもこのへんは単純計算なので人間側で十分にフォロー可能。むしろ時間配分は先に決めて中身をAIとディスカッションしながら考えるのが良さそう。

弱点2:ありきたりなプログラム

提案してくるプログラム内容に関しては、まぁ、ありきたりです。よくあるよねー、というプログラムが出てきます。
お仕事で使うなら、初回の打ち合わせの際にこんな感じ?で持っていく資料レベル。意図や背景を汲んだ内容にはなりにくい感じでした。
逆に言えば手抜きのワークショッププログラムならこれでいくらでも作れるなぁという感じ。発注側は発注前にAIにワークショッププログラムを作らせて、それを越えてくるかどうかを一つの依頼するかどうかのラインにするのがいいのでは?と思ってしまった。
その使い方をする、という意味では強みと言えるかもしれない。

強み:トピック出しは得意

テーマに基づくトピックを並べるのは得意。(でもそのトピックの有効性については考えられない。)
人間が漫然と考えるよりも早く数を出せるので、AIに雑なアイディアを出させて人間が精査する感じの使い方が良いのではないかと思います。
例えば「アイスブレイクで使うお題を100個考えて」と指示してみるとか。

※1度に100個考えさせようとすると作業してくれないので、少しずつ考えさせるのがコツ。

結論

ワークショップデザインの作業において部分的に使うのが一番いいと思います。現状ではAI単体がつくるワークショップデザインではクライアントの意図を汲んだものを作ったり、想定される現場の状況を反映したものは作れないのではないかと思います(スーパーAI使いなら別かもですが)。
この理由を考えてみると、AIがベースにしている学習データはウェブ上の情報たちなので、ワークショップデザインに関する暗黙知がそこまで言語化されていないのが原因なのでは?と思います。
言語化されている領域については、例えばExcelの関数の使い方聞くのとかは検索するよりもめちゃ便利に応えてくれる、強いのですが。言語化があまりされていない領域については弱いのではないかと思いました。

ワークショップデザイナーが作るべきものって「ワークショップっぽいなにか」ではなく「価値発揮するワークショップ」であるはずで。「このプログラムは本当に価値発揮できるのか?」はまだまだAIでは判断しきらないのではないかと思います。

でも、それはさておきバカとハサミは使いようとも言うように、無限にお題を考えたりしてくれる道具としてはとっても使い勝手がいいのも事実。
ワークショップデザイナーのみなさまもぜひAI使ってみてくださいませ。
以上です、メリークリスマス!

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