デザインリサーチとリーンスタートアップのプロセスに橋を架けようとする話
こんにちは。fujitakuです。
ようやく落ち着いて、GW中に2本目が書けております。
デザイン思考のプロセスもリーンスタートアップも初めて聞いたときは、なんだか良さそうなアプローチだと認識しているものの、実際、自分の業務にそれぞれのアプローチの考え方を適用するにあたっては、自分事化できずに概念を知って終わってしまうことって案外多いのではないかと思っています。私自身、木浦さんのデザインリサーチ研修受講後、1年間くらいこのような状態が続いていたのだなと実感してます。
デザイン思考やリーンスタートアップの考え方・マインドセットは、現時点ではよく理解できていない、また、プロダクトとは言い難いソリューション等を担当していたとしても、顧客に価値を届けたいと考える方には有益だと考えているので、フォーカスしてまとめていきたいところです。
コンセプトがプロセスの繋ぎ目のキーとなる
デザイン思考のプロセスとリーンスタートアップのプロセスに橋を架けるにあたって難しく感じたポイントを中心に話をしていきますが、その前に前提となる説明を記載します。
木浦さんのデザインリサーチ研修でも、数多くのアイデアに関連したコンセプトシートの中からたった1つのコンセプトに絞り込んだ後に、担当講師の方がバトンタッチして、時系列順に、
・(ビジネス)リーンキャンバス、MVP Planning、エレベーターピッチ
・(技術)ユーザーストーリー、リリースロードマップ
・(マーケティング)プロダクトメッセージング、マーケティングファネル
と一連のワークを体験しましたが、特にデザインリサーチ以降のビジネスの繋ぎ目には大きな飛躍があるように思えていましたし、デザインリサーチとの関係性も今以上にうまく理解できていなかったのが正直なところでした。
ここから用語に関する説明が続きます。MVP(Minimum Viable Product)に関する記事は以下を参照してみてください。
デザイン思考のプロセスとリーンスタートアップ(Running Lean)の説明は、以下が良さそうだったので引用してみました。
上記の前提をふまえ、当時の私にとって、何が難しかったのか?を以下に言語化してみました。
How Might We?の問いから、アイデア出しされた解決策(機能)に引っ張られてしまい、Constraint(制約)の良さをうまく認識し、コンセプトとの繋がりを理解できていない。
後の開発工程で書き記していく、ユーザーストーリー(片づけるべきジョブ)がプロダクト利用におけるユーザー体験の一瞬を切り取ったものであり、コンセプトに基づいたコアとなる体験を大きくぶらすことなく、ストーリーの全体像を構築していくイメージができていない。
ここでお伝えしたいのは、1.はプロダクトのコンセプトを整理しながら形作るうえで大切な観点であり、2.は作ったプロダクトのコンセプトを貫き、実態を伴わせていくうえで大切な観点なのではないか?ということです。それゆえ、コンセプトがデザインリサーチとリーンスタートアップのプロセスのキーとなる繋ぎ目だと認識しております。
1.に関しては、How Might We?のConstraint(制約)は、多くの場合、ジョブ理論でいうところのユーザーに関するコンテキストが入ってくると個人的には考えております。コンテキストとは、文脈のことであり、顧客が求める進歩、受け入れるトレードオフ、打ち負かすべき競合、乗り越えるべき障害物等が複雑に絡み合った状況のことを意味します。この辺、うまく言語化できない場合はアイデア先出しで逆算的にHow Might We?を活用すると良さそうです。前回の記事に記載しております。
2.に関しては、以下の投稿がわかりやすく、UXピラミッドの視点を持ち合わせられると開発工程での繋がりが直感的で理解しやすいのかもしれないと思いましたので引用します。社内のコミュニケーションの祖語を生みかねない、MVPという単語の定義や認識には注意しないといけないなと思わされました。
綺麗に描けてしまうことのリスク
デザイナー主導の新規事業開発の進め方というイベントでは「成功事例・失敗事例」のトピックについて、Designship Doのスワンさんやコンセントの赤羽さんが失敗事例として以下のようにおっしゃっていました。
どんなアイデアもそれっぽくビジュアルで見せられてしまうというデザイナーの諸刃の刃ともおっしゃっていました。このような理由から、フィディリティ高く、Figma等で綺麗にプロトタイプを作ってコンセプトを検証するのは、アンチパターンだなと認識しております。それゆえ、リーンスタートアップの課題インタビューくらいのフェーズまでの間でストーリーボードを使いながらコンセプトの検証を進めてみたいと個人的には考えております。
とはいえ、そんなにきれいに価値を構築するのは難しいと思うので、今後どのような道のりを辿っていけるのか、楽しみです。
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