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【エッセイ】わたしは "選ばれし者" でした

さっき、年越し前にさっぱりしようと、近所の散髪屋に行ってきました。低価格のチェーン店です。3年前から行きつけになっています。
普段はカットのみの最低料金で済ませ自宅で洗髪しているのですが、今回は思い切って、ヒゲ剃り・シャンプー・ブローまでやろうと、意を決して向かいました。
そして、お店に着き、メニューのある大きな立て看板を見たとき、戸惑いに変わりました。

あれっ? 思っていたより結構高いな・・・ 

「今回はフルオプションでいこう!」と決めていた私の心の隙間に、「どうしようかな?」という、優柔不断の迷い風が吹いたのです。しかし、そのときでした。

看板を上から下に眺めていくと、衝撃の文字が飛び込んできたのです。

シルバー割引(60歳以上)


そうです。私はすでに  ”選ばれし者" だったのです!
「ラッキー!」心のなかでそう叫びながら、ほんの少し空しいような・・・でも、とってもお得な気持ちになりました。

私のてっぺんはシルバーではないものの、森林地帯は年々干ばつの被害が拡大の一途を辿り、やや砂漠化しつつあります。誰がどうみたって、私は迷うことなき "選ばれし者" なのです。

店員さんには手際よくキレイにしていただき、最後に会計で「シルバーです」と宣言しました。
心のどこかで、「えっ、ほんとですか?」と確認されたい気持ちがなかったかといえば嘘になるでしょう。だって私は、得意げに運転免許証に手をかけていましたから。
しかし、そんな邪心を打ち消すように、店員さんは無言のまま淡々と会計を済ませていきました。
まあ、そんなもんですよね。

というわけで、頭のオアシス化、大成功!
気分スッキリ頭スッキリで年末年始を迎えられそうです。


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