ラーメンはどこまで広がりうるんだろう:豚組しゃぶ庵×MENSHOコラボに唸る
以前、ラーメン屋さんのデリバリー専門店の話を書きました。
ラーメンというジャンルと提供スタイルの可能性
その中で潜在需要の話として、ラーメン屋さんにいきにくい人がいるという説がありました。
しかし今後は外出自粛という理由だけでなく、
・子どもがいてラーメン店へ行けない
・ひとりでラーメン店に入るには勇気がいる
・時間を気にせずゆっくりラーメンを食べたい
といったお悩みを持っている方々にも本格的なできたてラーメンを届けてくれる、希望のお店となっていくはずです。
ラーメンという食ジャンルは、ラーメン店という提供のスタイルを超えた、いろんな提供の仕方がありうるわけで、それはラーメンを求めている人たち=マーケットがラーメン店以外のスタイルをも求めていることが示しているわけです。
ラーメン屋さんで食べるものという枠を超えて、ラーメンという食は広がっていくわけですね。
その一つがデリバリーだし、カップ麺だし、インスタントだし、さらに別の食とのコラボなのではないかと思います。
豚組しゃぶ庵とMENSHOのコラボ
そんなことを考えていたらば、衝撃的なコラボが発表されました。
ラーメン大王小林孝充の呼びかけで 稀代のラーメンクリエイター「MENSHO」庄野氏と、 飲食業界の革命児「豚組」という奇跡のコラボが実現! ラーメン&豚しゃぶ、これまで交わりそうで交わらなかった 出会いがもたらすかつてない体験型ラーメン!!!
場所は、西武渋谷店A館8階=レストラン街「ダイニングプラザ」で展開する「偏愛食堂」。
食の偏人たちが全国から選び抜いた今一番オススメの店舗を誘致、偏愛ぶりを感じる偏愛メニューをお楽しみいただける「偏愛食堂」が西武渋谷店A館8階=レストラン街「ダイニングプラザ」にオープンいたします。 2週間ごとにテーマを変え、それぞれが愛した食を監修、ここでしか味わえない限定メニューを含め種類豊富に展開。また、ランチ・ディナー、週によってメニューが変化するので、いつ来ても新鮮な気持ちで楽しめます。これぞまさに偏愛!
この第3弾が、豚組しゃぶ庵とMENSHOのコラボなんです。
コロナ禍により庄野氏が日本国内にいること、「豚組しゃぶ庵」が一時閉店する11 月という奇跡のタイミングの重なりによりこのコラボが実現しました。
確かに、豚組しゃぶ庵の締めの麺は旨い。豚しゃぶで出た出汁を使って作る豚骨ラーメン風の締めの麺もいいし、それにごまだれを足して坦々麺風にしてもいい。別注で一品料理のチャーシューなんか入れてもいいかもしれない。思い出すだけでよだれが出ますな。
しかし、ラーメンを食べるために豚しゃぶをして、スープを育てるって、どんだけ変態(褒め言葉)なんだ。
ランチはラーメン
ランチは、2000円と3500円のラーメンです。
これ、ラーメンの値段じゃないですよね。NYじゃないんだから。
クリア豚骨ってなんですか?
豚骨は白濁じゃないんですか?
ラーメンの地平は、まだまだ広がっているんですねえ。
ディナーはラーメンのための豚しゃぶ
そして、ディナーですよ問題作は。
5000円の豚しゃぶは、ラーメンのスープを作るためにあるんです。
豚組の締めの麺を究極の料理にするための工夫が、豚ゲンコツのようです。
なんなら、350円払って黒毛和牛ゲンコツにすることもできますよと。
それは豚しゃぶなんですか、という気もしますが、豚肉をしゃぶしゃぶすれば、それは豚しゃぶですよね。
お腹に余裕があれば、今帰仁アグーも追加したくなりますよねえ。あの肉の油はうまいよねえ。
そうすると6850円+税で7535円です。
豚組しゃぶ庵で食べるより高い気がしますが、肝心のお店が10月いっぱいで閉めてますから、今は食べられないんですよ。
当店は暫くの間、休店とさせて頂きます
それを渋谷西武の8階で召し上がれますよ、ということです。
豚組ファンは、気が動転するのも無理はないです。
ラーメンの新たな方向性なのか、豚しゃぶの新たな方向性なのかは、ご自身で体験してください。
結局、ラーメンとは何か
それにしても、このコラボが実現したのは、やはりラーメンという食ジャンルの融通無碍な所、麺とスープと具さえあれば、とりあえずラーメンであるという点にあるのではないかと思います。
それは一方で、ラーメンとは何か、という問いを突きつけてくるわけです。
いつも、新しいラーメンが出るたびに、これはラーメンなのか、ラーメンとはなんなのか、を問いながら食べることになります。
そして、これもまたラーメンである、という結論に達するんですよね。
ラーメンとは、中華麺とスープを主とし、様々な具(チャーシュー、メンマ、味付け玉子、刻み葱、海苔など)を組み合わせた麺料理。
Wikipediaのラーメンの項目は、べらぼうに長いです。そりゃそうです。説明すべきことが山のようにあるわけですから。
しかしどれだけ説明しても、今日もまた、どこかで新たなラーメンが生まれているかもしれない。そんな食べ物でもあります。
ラーメンは新たな何かを取り込み、そして、どこまで広がるのか。
その一つの答えを食べに、渋谷に行く甲斐があるかもしれません。
国内外に12店舗の異なるコンセプトのラーメン店を展開し、多くの受賞実績を持ち、ミシュランなどグルメ誌にも掲載されている稀代のラーメンクリエーターである『MENSHO』庄野氏と、2007年に六本木にオープンした飲食業界の革命児である豚しゃぶ専門店『豚組しゃぶ庵』という奇跡のコラボが“偏愛フーディスト”ラーメン大王小林孝充の呼びかけにて実現!
新感覚のしゃぶしゃぶとラーメンのコラボが、ここ「偏愛食堂」に登場!