「新型コロナは風邪」なのか、そうじゃないのか調べてみた
似たような構造を持つコロナウイルスによる感染症のため、インフルエンザウイルスによる流行性感冒と同等の病気だという指摘もあるCOVID-19 ですが、本当にそうなんでしょうか?
そうは思えないので調べてみました。
コロナは風邪説とは
「コロナは風邪だ」という声もありますが、そもそも、その人たちは何を指して「風邪」と言っているのでしょうか?
「SNSを介し、コロナウイルスなんか大したことがないという仮説に共鳴する人々が集まり、全国で『活動』をしています。北海道や福岡でも、小規模の『活動』が確認されており、それぞれの場所で大なり小なりトラブルになっている」(全国紙社会部記者)
「風邪は万病のもと」とも言いますので、風邪だって十分に怖い病気だと思いますが、その辺りを含めて、よくわからないことをわからないままに語っているような気がして仕方がありません。
風邪だから検査も治療もいらないとは言えないでしょうし、インフルエンザだって熱が出れば怖いですよね。
個人的に「コロナは風邪」と思うのは勝手なのですが、ただ、その主張をもとに検査センターを邪魔するというのは、どうなんでしょうか。
「近くにコロナの検査センターができるという話があり、その近辺に『コロナは風邪だ』と叫ぶ男女が現れました。そこは運悪く、私の店の目の前。昼間の二時間ほど居座られ、その間、客は一人も入ってこなかった。文句を言おうものなら何をされるか、恐ろしくて何もできない。台風と一緒で、ただ過ぎ去るのを待つしかない」(男性店主)
確かに、最近新宿駅前にも検査センターができて人が並んでますが、そういう施設に抗議行動をする人がいるんですね。
こうした施設は陽性判定が出ても都道府県への届け出義務がなく、感染対策上の問題も指摘される。現場からは検査精度のばらつきを懸念する声も上がる。
陰性の証明をもらって帰省したいとか、旅行したいというニーズがあるからできるのでしょうが、その陰性は本当に大丈夫かという気がしないでもありません。検査については、また別途考えていることを書きたいと思います。
ところで風邪って何?
ここで疑問なのは、風邪ってどういう病気なのか、ということです。
風邪薬を作っている会社のサイトを見てみましょう。
風邪(かぜ)は、正式には「風邪症候群」といって、上気道(鼻やのど)の急性炎症の総称です。ウイルスが粘膜から感染して炎症を起こすため、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、たん、発熱といった症状が起こります。
ルルを作っていて第一三共のサイトです。
風邪(かぜ)とは、上気道(鼻やのど)が微生物に感染することによって起こります。原因微生物の約90% はウイルスが占めており、残りの約10%は細菌、マイコプラズマ、クラミジアなどウイルス以外による感染です。
風邪(かぜ)ウイルスの数は200種類以上といわれており、どのウイルスが原因で起こったのかを特定することは困難です。また、同じウイルスでもいくつもの型があり、それが年々変異します。このため、一度感染したウイルスに対抗する免疫ができたとしても、次々に新しいウイルスに感染するため、繰り返し風邪(かぜ)をひいてしまいます。
なお、インフルエンザを起こすインフルエンザウイルスは風邪(かぜ)を起こすウイルスとは異なり、症状の重さも異なるので、別の病気だと考えておいた方がよいでしょう。
インフルエンザは別の病気だと考えましょう、というのですから、COVID-19も風邪ではないと思うんですけどね。まあ、置いておきましょう。
まず、風邪の症状は、免疫防御機構によって引き起こされます。
体が異物と戦っていると、異物を出そうとしてくしゃみ、鼻水、咳、たんが出たり、粘膜内部の組織に炎症が起こって腫れ、鼻づまりやのどの痛みなどの症状を引き起こします。
発熱は、異物の侵入により体に異変が起こったことを知らせると同時に、免疫の働きが活発になっているサインです。
こうしたウイルスによる攻撃から身を守る免疫反応だという点では、風邪もCOVID-19も同じように感じます。
風邪は万病のもとと言われるのはなぜなんでしょう。
風邪(かぜ)をひいている間に別の細菌に二次感染し、色のついたたんが出たり熱が続いたりすることもあります。また、風邪(かぜ)がきっかけになって中耳炎や副鼻腔炎、さらに気管支炎、肺炎、脳症などの合併症を引き起こすこともあります。
つまり風邪自体が問題というよりは、風邪をひいたことによって別の病気にかかりやすくなるのが問題ということのようです。
だから「万病の元」なのですね。
コロナと風邪の違いは何?
では、風邪とコロナウイルス感染症の違いは何か。
風邪薬ベンザのサイトに説明がありました。
特にひき始めは一般のかぜと新型コロナウイルス感染症は区別がつかないと言われています。
普通のかぜは、発症から3~4日目までをピークによくなっていくのが一般的です。
新型コロナウイルス感染症は、症状が7日前後と長く続くことが多く、その後約80%の人が自然によくなると考えられます。
症状としては熱がそれほど高くなくてもだるさが強く出たり、一部の人では嘔吐・下痢といった症状がおこることがあります。
問題は、入り口が似ていることです。
熱が出たり、だるい感じがしたりするのは、免疫が働いている証拠なので、外から入ってきたウイルスと闘う体の仕組みとして、外から見た感じが似ているのは当然なのですね。
免疫についてはこちらがわかりやすいです。
コロナと風邪は、初期症状で見分けるのは医者でも困難だと言われます。
問題は、そこから先です。
風邪は、多くの場合、後遺症が残りません。一部、後遺症が出たように見えるのは、風邪をきっかけに他の病気が引き起こされている場合です。これを合併症と言います。風邪による免疫症状だけならば後遺症は残らないのです。
しかし、COVID-19は、この後遺症が大変厳しいことがわかってきています。
なぜなら、COVID-19は肺炎のような呼吸器の障害以上に、血管の障害を起こす病気だからです。
コロナは血管の病気なのでは
これは、私のような門外漢の予測ではなく、専門医の分析を読んでいて考えたことです。
この病気は当初は新型肺炎といわれ、ウイルスもSARS―COV2と命名されていることから、上気道から肺にかけての呼吸器感染症とみなされてきた。
しかし、いまは心臓や血管の炎症、腎臓障害、消化管炎症、脳神経炎、そして急性心筋梗塞や脳梗塞といった血栓症を生じることが明らかになっている。
新型コロナウイルスと呼ばれていた頃は、重篤な肺炎が起こる病気だと思われていました。春先に志村けんさんが亡くなった頃などは、肺炎による死亡だと言われていたものです。
新型コロナウイルス肺炎に関しても、調べたところ死亡した方の血管、間質からはウイルスが検出されなかったという報告が出されており、これもこのウイルスの肺炎が、ウイルスによる肺の直接的な傷害よりもサイトカインストームが要素として大きいだろうということを示しています(Ann Intern Med. 2020.DOI: 10.7326/M20-0533)。
この記事は3月のものですが、肺炎について専門医がまとめているので実にわかりやすいです。
細菌性肺炎とウイルス性肺炎の違いがよくわかります。この二つは全く違うものなのですね。
「ウイルス性」肺炎は、上記のような直接的に戦うことによって起こる反応(合戦タイプ)もあるのですが、それだけではなく、これらを排除しようとして自分のカラダの免疫が暴走することによって起きる炎症も大きく影響するとされています(ちょっと正確かどうかはわかりませんが、言うならばデマや恐怖などを与えることで、相手の社会を混乱に陥れる「情報戦」に近いのかもしれません)。これをサイトカインストームと呼び、これらは「間質」そのものや、間質にある「血管」に炎症を起こし傷つけてしまいます。
そして、COVID-19は、この説明にある「サイトカインストーム」が激しいということがわかってきています。
それが、情報戦だという比喩は、この方が意図している以上にこの病気の「本質」をついているように思います。COVID-19は、人間と人間の間にある連携や信頼までを「デマや恐怖」で混乱させているからです。
新型コロナウイルス感染では、血栓を作るのに2つのパターンがあると言われています。
① 先にも述べましたが、サイトカインストームにより、血液の凝固系に異常が起こることで血栓が作られてしまいます。これにより、心筋梗塞、肺塞栓症、脳梗塞、下肢動脈塞栓を発症する可能性があります。
② 新型コロナウイルス自体が、肺を通じて血管内に入り込み、血管を直接攻撃して血栓を作る可能性も報告されています。血管の内皮細胞の表面にウイルスが接着することで、血管炎が起こり、血管が傷つくことで血栓ができてしまう可能性があります。
当初注目された肺炎も、サイトカインストームによるものであり、血栓ができるのもまたサイトカインストームによるもので、さらにウイルスがくっつきやすい細胞には種類があるのですが、このウイルスの場合は、それが血管の内皮細胞だということがわかってきました。
いまや世界中の精力的研究により、新型コロナ感染症の本態は血管内皮障害であることが証明されつつあるという。
そうなると、やはり風邪の一種とは言えないと思うんですよね。
引き起こす障害の内容が違うんですから。
やっぱりコロナは風邪じゃない
サイトカインストームの怖さは、こういう病気につながることです。
「子どもは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が重症化しにくい」とWHOなどが報告している一方で、「小児発症性多系統炎症症候群(PIMS/MIS-C)」という新たな小児疾患がCOVID-19と関連していると指摘されています。
これも血管の病気です。
MIS-Cは重度の血管の炎症、発疹、激しい腹痛、発熱の継続、舌の腫れ、心臓障害、神経損傷などを伴う小児疾患であり、新型コロナウイルスに感染した子どもがCOVID-19から回復した後に発症するとされています。
それでも、これまでにわかっている類似した病気の治療が効きそうです。
MIS-Cで見られる体内の炎症は心臓や肺、胃腸、神経系など、非常に多様な臓器や部位に影響を与えるとのこと。炎症の量は類似した病気である川崎病や毒素性ショック症候群を上回るそうですが、幸いにも川崎病の治療に用いられる免疫グロブリン療法がMIS-Cに有効であることがわかっているそうです。
こういう類似した病気から治療法を探すというのが、今回、コロナウイルス感染症については実に数多くなされたようが気がします。当初は肺炎を治すための対処療法が多かったのが、その先にある後遺症や副次的な症状を改善する方法が確立してきたことで重症から救っている例が多いように思います。
これが、知の集結ではないかと思うんですね。思考をやめなかった専門家の努力、研究者の努力に感謝したいです。
また、血管を攻撃する病であるために後遺症は広範囲に渡ります。
研究チームが患者の脳組織を分析したところ、新型コロナウイルスは検出されませんでした。この結果についてナス氏は「この結果は、脳組織の損傷が新型コロナウイルスによって直接引き起こされたわけではないことを示しています。脳組織の損傷はウイルスが引き起こした体の炎症が原因である可能性があります」と説明しています。
この炎症もまたサイトカインストームによるものだと考えられます。
サイトカインストームが原因の症状を起こすという点から言っても、コロナは風邪じゃないと言っていいんじゃないでしょうか。
上気道の炎症だけ見て結論を出している人たちは、もっと医学的な見地で議論していただきたいものだと思います。
コロナが怖いのは静かなこと
COVID-19による重症化の怖いところは、急激に悪くなるところと、病状が静かなところだそうです。
静かに、したたかに、人を死に至らしめる。実に静か。
これが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化から最期のイメージだ。
肺炎のイメージは、喘息とか咳き込むイメージですよね。それって、結構、うるさいというと失礼な言い方ですが音がする病気だと思います。
でも、コロナはそうじゃないというのが呼吸器専門医の実感です。
ところがCOVID-19の患者は違う。かぜのように大したことがなさそうな時間が経過する。どんどん悪くなるというよりも横ばい。しかしその後にふっと突然、パルスオキシメーターの酸素飽和度の値が低下する。「患者に苦しいか?」と聞いても、「いや、そんなに苦しくない」と答える。意識もはっきりしているのだ。
「胸が痛い」とも言わない。それほど咳込むわけでもなく、喘鳴もなく静かだ。全員ではないもののそれほどハーハー、ドキドキもしていない。至って静かなのに酸素のモニターだけ下がる。パルスオキシメーターを見なければ重症化に気付かない。患者は静的だ。
ここで人工呼吸器を選択しない場合、静かにやがて呼吸が止まる。
これって、怖くないですか?
音もせずに急に死んじゃうんですよ。苦しんでいるのを見過ごすんじゃなくて、苦しんでいるのに本人も気が付かずに、酸素が切れてしまうイメージ。
言ってみれば、突然、宇宙に放り出されたような死に方です。
吸いたくても酸素がない、酸素が体に入っていかない。その怖さ。
実に静かに、したたかに人を殺すウイルスだと思う。かぜと欺いて油断させ、突如殺し屋の本性を表す。特に年寄りに、持病がある弱者に。このウイルスをかぜだと思うなら、相手の思うつぼだろう。
これでも、コロナは風邪と言い張るんでしょうか、あの方達は。
自宅やホテル療養の際も症状の聞き取りではなく、酸素飽和度をこまめに、かつ労作時も含めて測定し、低下傾向があれば速やかに病院搬送の手配に入ることが望ましいだろう。人工呼吸の適応も、自覚症状が軽いことや見た目に騙されず、酸素飽和度を重視して決定した方が良さそうだ。低酸素の出現はレムデシビルやステロイド開始の判断基準でもある。
自宅でおとなしくしていて、急激に酸素量が減っていく。
そうならないために気をつけないと。
122人のうち、7割強の90人については死後になって、生前の症状やコンピューター断層撮影装置(CT)検査の結果などから医師らがコロナ感染を疑い、PCR検査をした結果、陽性が判明した。生前に感染が確認されていた32人の中には、入院せずに自宅などで療養していた人が含まれるとみられる。
突然死の原因は、これからはコロナも疑った方がいいと思います。
ピンピンコロリは20年後にしてほしかったな。
感謝のひと言くらい、言う時間がほしかったな。
いつもと同じ日常、たわいない会話、平々凡々な暮らしの営み。突然の夫の死は、そんな当たり前の毎日がどれだけ幸せだったかを教えてくれました。
こんな悲しい思いをしないように。
パルスオキシメーターを常備しておこうかな
こういうの買っておこうかなと考えています。
立川志の輔さんは、コロナではなかったけれど、酸素濃度を測っていたのが良かったらしいです。
事務所関係者は「自宅で血中酸素を測定したところ、数値が悪かったので病院に行った」と説明。PCR検査は順番待ちの状況で受けられていないが、現在は血中酸素の数値も良く、症状も出ていない。
これからは、熱を測るように酸素濃度も測らないといけないかもしれませんね。
サポートの意味や意図がまだわかってない感じがありますが、サポートしていただくと、きっと、また次を頑張るだろうと思います。