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細部は納得なのに全体はモヤっとする山尾志桜里さんの政治家引退宣言

新しい時代だなと思うのは、noteとYouTubeという発表のプラットフォームでしょうか。

新聞の取材やテレビのインタビューなどではなく、自分で発信できる時代。

国民民主党の山尾志桜里・衆議院議員は任期限りで政界を引退すると発表した。「政治家とは別の立場でスタートしたいことがある」とした。
自由と民主主義、そして法の支配。
こうした価値は毎日の暮らしや幸せを目に見えない形で支えています。
だから、失ったことに気づく前に、獲得する努力をひたすら重ねていく必要があって、それはライフワークとするに値する仕事だと思っています。
だからこそ、これまで立憲的改憲や人権外交に取り組んできましたし、これからもその気持ちは変わりません。
そして、この目標は、政治という磁場から離れた方がよりよく実現できると思うようになったのです。


理由については「政治家一筋というキャリアが標準モデルとなっていることに何度も違和感を覚えました。政治家以外にもやれることがあり、やりたいことがある人こそが、期間限定で政治家をやるようになるといい、そう確信しました」とした。

本来、政治家は選挙で落選すれば入れ替わりますが、政党所属の政治家の場合、選挙区で落選しても比例で救うとか、また落選しても地域での色々なポジションで残って、次の選挙を目指していますし、親子孫三代にわたって政治家の家なども出てきて、政治家の家業化も進んでいる。

確かに、「政治家だけ」を目指している人が増えているように思います。

でも、選挙を気にせずに政治家として働けというのはどうなんでしょうね?

選挙区に縛られた働きをしないという意味では、参議院の全国区もありますし、比例代表もある点では選挙区に縛られず政党に縛られているのかもしれませんが、その政党を出ても議員ではいられるわけですから、なったもん勝ちです。

アメリカの大統領選挙でよく言われるのは、大統領が変わると取り巻くスタッフが変わることで、行政に新陳代謝があるということです。いわゆる回転ドアという話。

それに比して、日本では政権に依らず行政を担う霞ヶ関が変わらないので、政治家の実務スタッフが変わらないことが、癒着や不正、また、結局役人主導になるなどと言われてきました。でも、それも「政治主導」の御旗を掲げ、人事を握って役人を骨抜きにしたことで、怪しくなってきました。三流の政治家を支える一流の役人の存在が日本を支えてきたと言われたのに、どうもその屋台骨が揺らいでいるように見えるのです。

さらに、政策秘書やら、首相秘書官やらをみてい政治家というプレーヤー以上に政治家を支えるスタッフの劣化が問題なのではないかとも思います。

「永田町に一番必要なのはプレーヤーの交代です。現職がいても毎回予備選をやること。そして議員任期を制限すること。新陳代謝をシステム化するには、この2つで必要十分。そう思って私なりに様々な場面で提案してきましたが、実現まではまだ時間がかかりそうです。ということで、まずは私自身が、この3期10年で区切りをつけようと思います

プレイヤーの交代を山尾さんは指摘しますが、新陳代謝ばかりが優れた仕組みでもないかと思います。有能な政治家は長年にわたって優れた提案をしていると思いますし、それがいつまで続けられるか。

その点では、野党の中では、山尾さんは有能な政策立案家としても知られています。

「保育園落ちた日本死ね」を取り上げたことでも有名です。

なぜやめてしまうのか、政治家を辞めて何をするのかはまだわかりませんが、珍しく、やめるのが惜しいと思える政治家だったように思います。

ゴーマニズム宣言の小林よしのりさんがかなり山尾さんを推してましたが、今回どういう反応をするんでしょうね。

「議事録を読むのが趣味」というほどの政治家、
山尾志桜里ほどの能力を持つ政治家は、男女含めて、
まずいない!
山尾志桜里は離党してようやく全力を出すことが
できる!
方法はいくらでもある。封印されていた山尾氏の
能力がやっと開花するときが来た。

まあ、今の野党では本当に自分が思ったことを実現できないという思いが山尾さんにあるのかもしれませんね。

でも、こういう優秀な若者(政治家としては若い方)が、政治の場である国会を見捨て、官僚になる東大卒が減り、日本を飛び出し海外の企業やNGOで活躍する時代になっているのかもしれません。

ガラパゴスに残ったイグアナの姿は、恐竜に似ているということかもしれない。

その閉じた環境に適応しても、時代に適応していない存在。それが、日本の政治家なのでしょうか。

それでは、日本国民は救われないので、なんとなくモヤっとするわけです。

サポートの意味や意図がまだわかってない感じがありますが、サポートしていただくと、きっと、また次を頑張るだろうと思います。