コロナ禍は「こども庁」を後押しするか?
コロナ禍は、世界の趨勢を加速させるのではないかと思われます。
この時は、日本の出生数と中国の人口統計の話なんかを書きました。
そして、世界も「人新生」かどうかは別として、新しいフェーズに入っていて、それがコロナ禍で加速していることは間違いないようなのです。
正式な統計結果が発表され、日本の赤ちゃんは85万人を割るという状況です。
厚生労働省は2021年6月4日、2020年(令和2年)の人口動態統計月報年計(概数)を発表した。出生数は前年(2019年)より2万4,407人少ない84万832人で、1899年の調査開始以来過去最少。合計特殊出生数は前年比0.02ポイント低下の1.34。自然増減数は過去最大の減少となった。
でも、これは2019年に妊娠した結果生まれた子供が多いわけですから、コロナ禍の中で起きている結果が出るのは、今年な訳です。
それを予感させるのはまずは婚姻数でしょう。
婚姻件数は52万5,490組で、前年より7万3,517組減少。平均初婚年齢は、夫31.0歳、妻29.4歳で共に前年より0.02歳低下している。一方、離婚件数も前年より1万5,245組減少し、19万3,251組となった。
約60万組から52万組ということは、1割以上減ったということです。コロナ禍で結婚式ができなかったことも影響したと思われます。
テレワークで向き合う時間が増えて、DVが増えたとか言われましたが、離婚件数も減っているんですね。
そんなコロナ禍での日本人の動向調査の中に、セックスに関するものがありました。
男女ともに「減った」が「増えた」の2倍以上であった。
特に20代で減ってます。することしなきゃ子供どころの話ではなく。
他にすることないから増えたんじゃないかなどという下世話な噂は、どうやら嘘だったようです。
外出しないし、出会いの機会もないから、きっかけもないというコロナ禍での行動制限がもたらした状況だと言えそうです。
減った理由については、「外出を控えた」(男性45・7%、女性42・1%)、「その気になれなかった」(男性22・6%、女性28・8%)などが挙げられた。「本人か相手がコロナに感染した」は0・4%だった。北村氏は今回の結果について「日本人は近年、セックスレス傾向が続いており、感染防止の『3密』回避の呼びかけが性行動の減少に拍車をかけたのではないか」と分析した。
これは、2021年生まれの子供は、さらに減りそうです。
実際に、妊娠届けも大きく減っています。
妊娠届は、母子健康手帳の交付や妊婦健診、産前産後サポートなどのサービスが行き届くように市町村が妊娠した人を早期に把握するための制度。9割以上の人が妊娠11週目までに自治体に提出するため、その7~8カ月後の出生数の目安となる。20年後半から21年初めに妊娠した人が21年中に出産することになるため、21年は少子化が加速するとみられている。
明らかに、2019年より低い訳です。2019年に届けた人が産んだ結果が2020年の出生数につながっている訳ですから、2021年の出生数は推して知るべし。
このままだと、さらに1割減で70万人台ではないかと言われ始めています。
ますます日本の少子化は加速し、前倒しになっていきます。
そこで「こども庁」創設が有効になるのかどうか。
「経済協力開発機構(OECD)調べでは、日本の家族関係社会支出は国内総生産(GDP)比で1.9%。少子化対策で効果を上げている英国3.4%、フランス2.9%、スウェーデン3.6%に及びません。特に現金給付が劣っており、もっと支出を増やさないと少子化に歯止めは掛けられません。個人的には消費増税が現実的な財源確保策だとみています。あわせて政府予算全般の支出構造を見直し、少子化対策支出を拡充することが求められます」
老人にも子供にもお金を出していたらば、真ん中の世代はたまったものではないわけですが、どうなっていくのでしょうか。
中国のように三人とは言わなくても、日本も子供が持ちたい国になる必要があるのでしょうね。
出産適齢期の人々はすでに自分自身が1人っ子世代であるため、「子どもを何人も持つことがイメージしにくい」という声もあります。
中国の民政省(日本の総務省に相当)の統計によると、2020年の婚姻件数は約813万組で、2013年と比較すると4割も減少しました。
18歳以上の独身者は2018年の段階で人口の20%に近い約2億4000万人に達しています。
中国は数が桁外れですが、日本と子供を持ちたくない理由は似たようなものでしょう。
結局、世界人口が減少する方向に地球は動き出しているのではないかという気もするんですけどね。
そして、その減少した人口で出来なくなることを埋めるのが、ロボットでありAIなんだろうと。
そういう自然から乖離した人工物が人類を覆う時代=人新生なんだろうと思います。
人間が生み出した人工物の総量が約1兆1,000億トンに達し、地球上の生物の量を上回ったとみられるという研究結果が、このほど発表された。このままのペースでは、20年後には人工物量が生物量の3倍近くに達するとみられる。