新宿のバーのマスターは、自粛要請の日に地下鉄の定期を買った
昨夜、いつもの店で飲んでました。
新宿のバーのニューノーマル
この店は、4月の緊急事態宣言では休業しましたし、今回も、都の要請に沿って、ステッカーも貼ってますし、22時には閉店しています。
助成金だの休業補償だの家賃補填だの、慣れない事務仕事にも一生懸命対応しています。店を守っていかないといけないですからね。
本来は、開業50周年のパーティを秋に開催する予定だったんですが、それも中止です。
常連さんの年齢が上がっているので、皆さん自粛でいらっしゃいません。
それでも、毎日、夕方には店を開け、22時に閉める毎日です。
感染対策でフェイスシールドをつけてますし、カウンターにはアクリル板の仕切りもあります。入店したらば、まず消毒して、お客さんの体温を測ります。ステッカー貼ってますからね。
小池さんの無責任発言に思う
それなのに小池さんは、ステッカーを貼っている店から感染者が出た報道を受けて、「ステッカー貼っているだけで対策をしていない店もあるでしょう」なんて、無責任なことを言ってました。
いやいや、あなた以上に皆さん一生懸命対応しているんですよ。
あれは、「きちんと対策を施していても感染してしまうかもしれないのが、コロナウイルスの恐ろしいところです。ステッカーを貼っているお店は、対策を万全に講じていると私は信じています」と言うべきでした。
それが、ステッカーを義務化した条例まで出した首長の言うべきセリフでしょう。
なのに、あの冷たい、突き放したような物言い。本当に、自分にしか興味のない人です。
そして今日も定期で新宿に通う
マスターと話していて、昨日、不思議なことを聞きました。
「大学生の時以来、30年以上ぶりに定期を買いましたよ」と言うんです。
大学生の時に定期を買う?と言うのもありましたが、彼は真面目な学生だったので大学に毎日行っていたのでしょう。御茶ノ水あたりだったと思いますが。
そして、新宿のバーのマスターが、定期で通っていると言う不思議。
「今までも店に来るのは、地下鉄で来るんだけど、帰りは、終電すぎることが多いから、タクシーになるじゃない。だから定期じゃなかったんだけど、今は22時閉店だから、電車で帰れるしね」
悲しそうに笑うマスター。
笑い事じゃないよね。そんな時間に帰らなきゃいけないのは、どんなに辛いだろう。でも、要請に応えないといけないから、店の閉店は22時なんだ。
確かに、昨日もお客は私一人だった。
前日も一人だったと言う。
それでも、今日も店を開ける。
誰かが来るかもしれないし、来ないかもしれない。
それでも、彼は、定期で店に来て、店を開けるんだ。