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「答えのある問い」と「答えのない問い」
あなたは、どんな問いを抱えながら毎日を過ごしていますか?
たとえば、数学の問題で「3×5はいくつ?」という問い。
これは、
誰にでも答えがわかる「答えのある問い」です。
ぼくたちの生活のなかでは、
こうした「答えのある問い」がたくさんあります。
学校のテストや仕事のタスクも、
正しい答えが用意されているものが多いかもしれません。
それに対して、
正しい答えを出せたときの達成感は気持ちが良いものです。
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でも、
それと同時に大切なのは「答えのない問い」
たとえば、
「10年後の自分はどうなっていたい?」
「本当に大切にしたいことは何だろう?」
「私にとって幸せって何だろう?」
こうした問いには正解はありません。
誰かに正解を教えてもらうこともできません。
自分の心の奥底にある答えを見つけるために、
ぼくたちは時々立ち止まって、自問するしかないんです。
そんなときに大切なのは、
「正しい答えを見つけること」よりも「問い続ける姿勢」かもしれません。
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最近、子どもたちに
「答えのある問いと答えのない問い、どっちを考えることが多い?」と聞いてみました。
最初はみんな「答えのある問い!」と答えてくれて、
「その方が、安心するから」と続けます。
でも、話を深めていくうちに、
「答えのない問い」のほうが心が躍ることに気づく子も多いんです。
ある子は
「自分が本当にやりたいことって、なんだろう?」と、目を輝かせて考え始めました。
これは、ゲームの世界にも似ています。
決まった攻略法があるステージをクリアするのも楽しいけれど、
オープンワールドのゲームのように、
自分のペースで進んで新しい発見をする冒険には、
もっと自由で広がりがありますよね。
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ぼくたちの人生も、
そんなふうに「自由に探究する時間」がもっと増えたら、
もっと楽しくなるのかもしれません。
どちらの問いも、ぼくたちには必要です。
ときには、
明確な答えを出すことが求められます。
でも、もし今、
あなたが答えが見つからない問いに悩んでいるなら、
それはあなたが自分自身を知ろうとしている証拠かもしれません。
だって、
成長とは、まだ見ぬ答えを探し続ける旅だからです。
今日の講演でも、子どもたちとこの話をしました。
みんなが真剣に考え、
時には笑い合いながら、自分の中にある問いに向き合っていました。
ぼくにとって、そんな瞬間がいちばん嬉しいんです。
考えること自体が、ぼくたちを次のステージへと連れていってくれるからです。
今日は広島県三次市の十日市中学校さんで、
全校生徒+保護者の皆さんに「なりたい自分になる」をテーマに講演をさせてもらいました。ありがとうございました!
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