今堀日吉神社文書に見る六角氏『楽市』と紙商売についての考察
近頃楽市・楽座政策について様々な角度からの検討が加えられていますが、その元となった文書群はあまり知られていません。
そこで、今回はその現代語訳を元に藤瀬なりの検討と考察を行ってみたいと思います。
今堀日吉神社文書とは
大前提として『今堀日吉神社文書』とは何なのかをまずご説明します。
これは、大正四年頃に郷土史家の中川泉三氏によって発見された古文書群であり、室町時代を中心に得珍保(とくちんのほ:現在の滋賀県東近江市八日市周辺)を拠点に活動した『保内商人』の残した文書群です。