[漫才] 如意棒(当て書き:夢路いとし・喜味こいし)
#オチを予想してお楽しみください (5文字)
「如意棒をほどよく伸ばす方法を教えてほしい」と言ういとしさんと,「如意棒なんてあるはずがない」と疑うこいしさんのやりとりをお楽しみください
オチの分類:考え落ち/仕込み落ち
夢路いとし:昔から,「如意棒」と呼ばれる棒がありますけれども…
喜味こいし:如意棒?
い:あれは,「ほどよく伸ばすのがなかなか難しい」という人類共通の悩みがありまして…
こ:なんの話してんねん
い:「如意棒」の話やないか
こ:「如意棒」というのは?
い:君,如意棒知らんか?
こ:「西遊記の孫悟空が持っていた」と言われとるあの棒か。「伸ばそ」思えばどこまでも伸びるという
い:知っとるやないか
こ:知ってはいるけどもやな,「悩みがどうこう」言うんはなんの話や
い:如意棒は「伸ばそ」思えばどこまでも伸びますからね,あれをほどよく伸ばすんが難しいんですわ
こ:君,如意棒持っとるんか
い:持ってますよ
こ:嘘はあかん
い:嘘やないがな。如意棒の1本や2本,誰でも持っとるやろ
こ:持ってるかそんなもん。1本や2本て君は何本持ってんねん
い:8本
こ:そない持っとるんか
い:最近の若いもんはみんなそれくらい持って…
こ:君は「最近の若いもん」ちゃう。だいたい如意棒なんてどやって手に入れるんや
い:店頭に並んどるやろ
こ:どこの店頭や
い:ドン・キホーテ
こ:ドン・キホーテ!? 確かにドン・キホーテにはなんでも売ってるらしいな。せやけど如意棒は売っとらんやろ。さすがのドン・キホーテでも
い:君は知らんのか。「でんどう」やぞ
こ:電池入れて動かす棒やったら「如意棒」ちゃうやろ
い:そっちの「電動」やなしに,「激安の殿堂」や。ドン・キホーテは
こ:そっち「殿堂」か。電池入れてボタン押して伸び縮みする棒を,君が勝手に「如意棒」と呼んどるん違うか?
い:君は僕の如意棒を偽物やと疑っとるんか
こ:疑っとるわそんなもん。本物の如意棒なんてないやろ
い:そこまで言うんやったら,今度一緒に行くか?
こ:どこへ?
い:如意棒を買いにや。毎月11日は如意棒の日やから
こ:「如意棒の日」てなんやねん
い:「如意棒セール」やっとる日や
こ:「如意棒セール」て…,安いんか如意棒が
い:あたりまえや。安いから「如意棒セール」や
こ:そもそもやなぁ…,如意棒なんてなんに使うんや
い:なんにでも使えるがな
こ:「なんにでも」て?
い:木にひっかかったボール取ったり,木にひっかかった帽子取ったり,木にひっかかった紙飛行機取ったり…
こ:木にひっかけすぎや
い:今度の11日は新作の如意棒出るんですわ
こ:如意棒に新作なんてあるんか
い:今回の新作はすごいでぇ。サラミ味の如意棒や
こ:うまい棒やろそれ。「サラミ味」て
い:如意棒や。どこまでも伸びるんやから
こ:食い放題のうまい棒か
い:だから「如意棒や」言うてるやろ。ちなみに同じ日にやな,コラボ商品の「うまい棒の如意棒味」っちゅう商品も発売される
こ:如意棒味!? 「如意棒味」てどんな味や
い:如意棒の味や
こ:「如意棒の味」言われてもやな
い:君は如意棒の味知らんのか
こ:知るわけないやろそんなもん
い:如意棒といえば,大抵甘酸っぱい味やがな
こ:君は如意棒食うたことあるんか
い:朝食といえば如意棒やろ
こ:「シリアル」みたいに言うな
い:朝食といえば,シリアルか生卵か如意棒やろ
こ:如意棒なんて食えるか。どやって食うねん
い:軽く塩をかけていただくのが一番美味い食べ方やな
こ:サクッとか
い:ガリガリっとや
こ:固いんか
い:あれ見た目より固いんですわ
こ:見た目も固そうやけどな
い:見たことあるんか
こ:イメージや
い:歯が折れるな
こ:やめんかそんなもん食うの
い:だんだん慣れてくるんですわ
こ:慣れると歯が折れなくなるんか
い:歯が折れることに慣れてくる
こ:そっちかい
い:もう歯折れても全然気にならん
こ:歯なくなるやろ。ただでさえ歯減っとるのに
い:一度やるとなかなかやめられないんですわ
こ:それほんまにあかんやつや
い:今度僕が如意棒買うたるから,程よく伸ばす方法を君に教えてもらいたい
こ:君さっきから「程よく伸ばす」言うとるけどもやな,木にひっかかってるもん取るんやったら適当に伸ばせばええやろ
い:僕が言うてるんは,洗濯物干すのに使う如意棒のことや
こ:君は如意棒をそんなことに使うとるんか
い:ええやないか別に。僕の如意棒や
こ:それやったら,物干し竿と同じ長さに伸ばせばええやろ
い:僕は洗濯物を部屋干しするときの突っ張り棒として使いたいんや
こ:それを先に言え
い:それを先に聞け
こ:それやったら,片方の壁に如意棒くっつけて,伸ばした棒が反対側の壁に当たってコツっと鳴った瞬間止めたらええやろ
い:君は如意棒持っとるんか
こ:持ってるか
い:持っとらんからそない呑気なこと言えんねん。コツっと鳴ってから止めたら如意棒はもう壁にめり込んどるわ
こ:如意棒繊細やな
い:如意棒はすぐには止まれん
こ:「車」みたいに言うな
い:せやから僕の家の壁穴だらけやからね
こ:君の家賃貸やろ
い:賃貸や
こ:穴開けたらあかんやろ
い:だから君に相談しとるんやがな
こ:分かった。私が君の家に行ってやな,壁にぶつかる寸前に「ストップ」て言うたる
い:手伝うてくれるか
こ:手伝いますよ,そんくらい
い:ほんならついでに,木にひっかかったボール取るんも手伝うてくれるか。僕が君を肩車してやな
こ:それは如意棒伸ばして取ったらええやないか
い:届かんかったんや,僕の如意棒では
こ:「伸ばそ」思えばどこまでも伸ばせるんちゃうんか
い:それがやな,ボールに届く寸前で止まってもうた
こ:なんでや
い:ちょうどそのとき◯◯が◯◯◯
あらゆるオチを誰よりも先に小噺化するプロジェクト『令和醒睡笑』過去の創作小噺を何回も何回も回すと"古典小噺"になる・・・はず・・・【小噺はフリー台本】