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漫才論| ⁷¹漫才中の「誘い笑い」ってどうなの❓

自分が先に笑うことによって相手の笑いを誘うことを「誘い笑い」と言います。これを「技術」ととらえる人もいますし,「あざとい」と感じる人もいます。これをわざとやる人もいれば,わざとではなく癖で笑ってしまっているだけの人もいます

わざとであろうとなかろうと,話している人(もしくは演者)が笑いすぎると,聴いているほうは冷めてしまって笑えなくなりますし,それを不快に感じることさえあるので,自分が話しているときにどれくらい笑っているのかはある程度把握しておいたほうがいいと思います

こうした点を踏まえて,今回は「誘い笑い」について書いてみました


「誘い笑い」はやめたほうがいい

お客さんの笑いを誘う目的で,漫才中に「わざと笑う」のはやめたほうがいいと思います。「自然に笑っているように見せる」と「自然に笑っている」の間にある壁は,絶対に超えられないからです。どんなにうまくやっている人でも,頭で考えながらわざと笑っているかぎり,「わざとらしさ」を完全に消すことはできません

「誘い笑い」がうまければ,その瞬間は笑いを生み出せる場合もありますが,漫才を長く続けたいのであれば,やっぱりやめたほうがいいと思います。それを続けていると,「わざと笑っている」ということに気づく人も増えてきますし,自分自身もやっていて嫌になってきたり,基本楽しくないからです

笑いすぎる癖がある場合

わざとではなくついつい笑ってしまう癖があり,それを「不快だ」と思われているとすればかなり損をしているので,そういう印象を与えていないかどうか,いろんな人に聞いてみたほうがいいと思います

自分でも動画を撮って確認してみると,ネタ中の自分の笑い方だけでなく,変な癖やネタにとってマイナスとなっている意外な要素などにも気づけるかもしれません

一番いいのは?

「誘い笑いがよくない」というのは,「漫才中に笑うのがよくない」という意味ではありません。「漫才中は笑わないほうがいい」という意見も確かにありますが,私はむしろ「笑ったほうがいい」と思っています。「誘い笑い」ではなく,「アドリブ」を入れることによって

わざと笑う「誘い笑い」はあざといですが,真剣に本気で「相方を笑わせたい」と思って漫才をしているコンビが,アドリブを入れることによって思わず笑ってしまう姿は,通常プラスに働きます。二人が本当に漫才を楽しんでいるのが伝わるからです。そして,ライブ感が生まれ,活き活きとした漫才になるからです

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THE MANZAI magazine
❶「自分たちにしかできない漫才スタイル」を確立する方法 ❷しゃべくり漫才のうまさは「相槌」で決まる ❸「漫才台本の書き方」と「オチのつけ方」 ➍ボケやツッコミってどのようにして思いつくものなの? ❺「言い訳-関東芸人はなぜM-1で勝てないのか-」は"現代漫才論"ではない-ナイツ塙さんが何を「言い訳」しているのかが分かれば,関東芸人がしゃべくり漫才でM-1王者になる道が見えてくる- ❻漫才詩集「38」

フィクション漫才『煮豆🌱』-いとこい師匠のテンポで-
作: 藤澤俊輔  出演: おせつときょうた

あらゆるオチを誰よりも先に小噺化するプロジェクト『令和醒睡笑』過去の創作小噺を何回も何回も回すと"古典小噺"になる・・・はず・・・【小噺はフリー台本】