漫才論| ⁶⁷「キャラ漫才」で成功する方法とは❓
「キャラ漫才」というのは,素の自分とはまったく違う「キャラ」をつけてやる漫才のことです。例えば,「すぐキレるキャラ」「貴族キャラ」「実在するアニメのキャラ」などです
私は個人的には「キャラ漫才」が好きではありませんが,売れるための一つのやり方としてはありだと思います。今回は,キャラ漫才で成功する方法について考えてみました
オードリーの場合
オードリーの漫才をはじめてみたときは,「めちゃくちゃキャラ作ってるな〜」と思いましたが,みればみるほど「言うほど『キャラ漫才』でもないのかなもな〜」と思うようになりました。春日さんの本当の"素"は知りませんが,結構"素"も変わっている方で,実際そこまでキャラを作っているわけではないのかもしれません
春日さんはおそらく,まともなしゃべくり漫才をするのは苦手ではあるものの,ものすごくキャラの濃いおもしろい人なのだと思います。こういう場合には,その人が元々持っているキャラを活かした"キャラ漫才風"の漫才をするというのも一つの手だと思います
アイデンティティの場合
アイデンティティの漫才は,アニメのキャラになりきった「キャラ漫才」かと思いきや,声優の野沢雅子さんに扮するという斜め上をいったキャラ漫才です。一番最初に見たときは,あの格好の意味が一瞬分かりませんでしたが・・・
アイデンティティの田島さんのモノマネはものすごくうまいですし,絵も歌もうまくて,あれはもうただの「キャラ漫才」を超えていると思います。あれほどの芸があり,本人も「好きでやっている」という要素が強いと,成功する確率はかなり上がると思います
ギャロップの場合
もしかすると,ギャロップが谷村新司さんに扮して漫才をしていたことを知らない方も多いかもしれませんが,やってました。今はもうまったくしていないのでしょうか?
ギャロップといえばとにかく漫才がうまいコンビですから,「しゃべくり漫才」と「キャラ漫才」の二刀流ですね。めちゃくちゃ漫才がうまいコンビがキャラ漫才までできたら,それはもうおもしろいに決まっています!
売れるためだけに無理やりキャラを作っても
このように,「その人の元々のキャラがおもしろい」「芸があって本人も好きでやっている」「漫才がうまい」など,ちゃんとした下地があるとキャラ漫才で成功する可能性がありますが,売れるためだけに無理やりキャラを作っても,大抵うまくいかないと思います
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「みんなで作る漫才の教科書」とは,テーマ別に分類した「漫才論」にみなさんから「質問」「意見」「反論」などをいただいて,それに答えるという形式で教科書を作っていこうというプロジェクトです
THE MANZAI magazine
❶「自分たちにしかできない漫才スタイル」を確立する方法 ❷しゃべくり漫才のうまさは「相槌」で決まる ❸「漫才台本の書き方」と「オチのつけ方」 ➍ボケやツッコミってどのようにして思いつくものなの? ❺「言い訳-関東芸人はなぜM-1で勝てないのか-」は"現代漫才論"ではない-ナイツ塙さんが何を「言い訳」しているのかが分かれば,関東芸人がしゃべくり漫才でM-1王者になる道が見えてくる- ❻漫才詩集「38」
フィクション漫才『煮豆🌱』-いとこい師匠のテンポで-
作: 藤澤俊輔 出演: おせつときょうた