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[コラム] 漫才作家だけで食べていくために,「オチを売る」というシステムを模索中

「漫才作家だけで食べていく」というのは至難の技です。台本は,曲や本のような売り方ができないからです。台本を買ってくれるのは基本演者のみ(漫才師や漫才をしたいと思っているアマチュアの方など)です。M-1で優勝するようなネタであっても,本のように「多くの方が購入する」ということは当然ありません。また,曲のように,「台本を演じる回数に応じて料金をいただく」というのもなかなか難しいと思います。

「漫才を書く」というのは,かなり大変な作業です。でも,全然儲かりません。今の状況では,「漫才作家になりたい!」と思う人が増えることはないと思います。演じるのは苦手でも,書くのは得意という方も当然いると思いますが,そのような才能を漫才に活かしてもらえるような取り組みは,現在ほとんどありません。原因はやはり,「漫才はそんなに儲からない」というところにあると思います。

それに加えて,漫才作家の自立が難しいのは,「自己完結」できないところです。書いているのは「台本」なので,どなたかが演じてくださらないかぎり世には出ません。また,どんなにいいネタができ,そこそこの値段で買ってもらえても,そのコンビが解散してしまったら,別のコンビに演じてもらうというのもなかなか難しい状況です。それでもし,「自己完結」する方法があれば,「漫才作家」という職業が成立するのではないかと考えました。

そのようなわけで今回,このnoteのサービスを活用して,「オチを売る」という方法を試してみることにしました。ネタのほとんどを公開し,オチの部分だけを見えないようにします。ネタが気に入ったら「オチを買う」というシステムです。応援の意味も込めて購入していただけるとありがたいです。価格は,ネタの長さに応じて100~300円くらいで始めてみようと思っています。

このシステムだと,ちゃんとしたオチがないと,買ってくださった方をがっかりさせてしまい,その後は購入していただけなくなるので,「しっかりとしたオチのある台本が増える」というメリットもあると思います。

これからどんどん台本をアップする予定です。この考えに賛同してくださる「漫才好き」の方がいらっしゃいましたら,ぜひ応援をよろしくお願いいたします。

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藤澤俊輔 (漫才作家/小噺作家)
あらゆるオチを誰よりも先に小噺化するプロジェクト『令和醒睡笑』過去の創作小噺を何回も何回も回すと"古典小噺"になる・・・はず・・・【小噺はフリー台本】