漫才論| ⁴⁰女性の漫才師が"女"を意識せずにネタを作る方法とは❓
以前,漫才師に憧れている高校生の方からこんな質問をいただいたことがあります
高校生から見ても,女性の芸人は「キャラや容姿を売り物にしないと売れない」というイメージが強いのだと思います
"女"を意識しすぎていないか
芸人にかぎらず,いいかげん「女〜」とか「美人〜」という言い方自体やめたほうがいいと思いますが,いまだに容姿に注目する傾向が下火にならないので,芸人側をそれをネタにしがちで,現状ではそのほうが早く売れる可能性が高いのかもしれません
「女〜」とくくられるのが嫌で,妙に尖ったネタをする芸人もいます。素も尖っているのであれば全然いいんですが,それはそれで逆に"女"を意識しすぎていて,少し無理して柄の悪いネタをやっていたりすると,痛々しく感じてしまいます
発想で勝負する
"女"を意識せずにネタを作る方法はもちろんあります。その一つ目は,「発想で勝負する」という方法です
これは,一つ一つのボケ以上に,全体を貫く発想自体がおもしろいネタのことです。例えば,チュートリアルの「バーベキュー」のネタであれば,「具材の刺し方にセンスが出る」という発想自体がおもしろく,これを女性の漫才師がやってもまったく違和感ないですし,おもしろいネタになると思います
"女"を意識してネタを作るのではなく,こういう「おもしろい発想」を考えてみるといいと思います。ただ,「おもしろい発想」というのは誰でも簡単に思いつくものではなく,「これが思いつくんなら苦労しないよ」という芸人は,男性女性にかぎらず多いと思いますが・・・
普段の会話を漫才にする
そこで二つ目に,「普段の会話を漫才にする」という方法をご紹介します
普段の会話は漫才のネタの宝庫です。「おもしろいな」と思う会話は,忘れないようにできるだけメモしておいたほうがいいと思います。普段の会話であれば,必要以上に"女性"を意識していない「おもしろい話題」がたくさんあると思いますし,自分たちが実際にしている会話を漫才に昇華することができれば,変に"女"を意識したネタではなく,自分たちにぴったりのネタを作ることができます
メモしておいた会話をもとに何本か漫才を作ってみると,会話を漫才に昇華するコツがつかめるのではないかと思います(方法がどうしても分からない場合は,こちらからご相談ください)
このテーマに関する質問・意見・反論などは
「みんなで作る漫才の教科書」にお寄せください
「みんなで作る漫才の教科書」とは,テーマ別に分類した「漫才論」にみなさんから「質問」「意見」「反論」などをいただいて,それに答えるという形式で教科書を作っていこうというプロジェクトです
THE MANZAI magazine
❶「自分たちにしかできない漫才スタイル」を確立する方法 ❷しゃべくり漫才のうまさは「相槌」で決まる ❸「漫才台本の書き方」と「オチのつけ方」 ➍ボケやツッコミってどのようにして思いつくものなの? ❺「言い訳-関東芸人はなぜM-1で勝てないのか-」は"現代漫才論"ではない-ナイツ塙さんが何を「言い訳」しているのかが分かれば,関東芸人がしゃべくり漫才でM-1王者になる道が見えてくる- ❻漫才詩集「38」
フィクション漫才『煮豆🌱』-いとこい師匠のテンポで-
作: 藤澤俊輔 出演: おせつときょうた