[漫才] いかのきもち(当て書き:タイムマシーン3号)
#オチを予想してお楽しみください (5文字)
山本浩司:酒の肴といえばやっぱりあれですよね?
関太:「あれ」というと?
山:アタリメ
関:「アタリメ」ってなんだよ
山:スルメのことだよ
関:スルメね。スルメは好きですよ。そもそも俺はイカが大好きだからね
山:俺のほうがもっと好きですけどね。スルメのことを「アタリメ」って呼ぶくらいですから
関:いやいやいや…俺のほうが好きだって。最近イカの食べ過ぎで「そろそろイカになるんじゃないかな俺」って心配するくらいだから
山:何心配してんだよ
関:毎晩イカ食べてるから,「朝起きてイカになってたらどうしよう…」って心配しながら眠りについてんだから
山:お前毎晩イカ食ってんの?でも大丈夫だよ。イカになるなんてあり得ないからね
関:そういうタイプのやつが,「どうせ災害なんて起きない」って言っていざ災害が起こるとなんの準備もしてなくて痛い目見るんだよ
山:なんの話をしてんだよ
関:「ちゃんと備えをしておきなさいよ」っていう話ですよ
山:心配しすぎなんだよ。だいたい「イカになるかもしれない」って心配したところでどんな備えをすればいいんだよ
関:例えば…,枕元に醤油とワサビを置いて寝るとかさぁ
山:なんで自ら食われる備えをしてんだよ
関:僕は生姜で食べる派ですけどね
山:どっちでもいいよ
関:イカの立場だったらどっちがいんですかね?ワサビと生姜
山:それこそどっちでもいいわ!
関:イカとしては…「ワサビでも生姜でもどっちでもいい」っていうのが正式見解ということでいいんですか?
山:え?
関:だから,イカとしては「ワサビでも生姜でもどっちでもいい」っていうのが正式見解でいいのね?
山:なんで俺の意見がイカとしての正式見解なんだよ
関:だってお前イカだろ?
山:俺イカじゃないよ
関:イカ代表でしょ?
山:なんだよイカ代表って。人間代表だろ
関:人間代表でもないだろ。でもイカを食す人間だったら「明日朝起きてイカになってたらどうしよう」って心配になるだろ普通
山:「食す」って言うな。ならないだろ。お前だけだよ
関:朝起きてもしもイカになってたら,当然布団の中にいるわけだから,掛け布団が重くて外に出られなくて大変だろ
山:お前本気で心配してんの?
関:あたりまえだろ。イカになったらなったで,「どんな風に料理してもらえるのかなぁ…」って心配だしね
山:イカになった後の心配もしてんの?
関:そりゃ心配だろ。自分の老後のことなんだから
山:なんでお前の老後イカなんだよ
関:みんな「イカになりたい」っていう夢があるからこそがんばれるだろうが。日々つらいことがあっても
山:そんな夢持ってないわ。「イカになりたい」なんて思ってないからね
関:それはお前がイカだからだろ?
山:え?
関:お前は「イカになりたい」っていう夢すでに叶えてるから,「イカになりたい」なんて思わないんだろ?
山:だから俺イカじゃないから。なんなんだよのその「イカになりたい」っていう夢って
関:イカにとっては「どう料理されるのか」っていうのは重要な問題だと思うんだよ
山:あ〜まぁ…「どうせなら活きのいいうちに刺身にしてもらいたい」みたいなのはあるかもしれないけどね
関:あれ?イカの気持ちよく分かってない?
山:いやいやいや。ちょっとイカの気持ちを想像してみただけだよ
関:やっぱりお前イカだろ?
山:イカじゃないって。俺イカっておかしいだろ
関:ちなみにイカって…,寿司にされることについてはどう思ってんだよ
山:寿司ね。あれは握られるじゃないですか?おじさんに
関:だいたいおじさんなんですよね,握るの
山:しかもそのおじさんが微妙にソフトなかんじで握ってくるんですよ
関:嫌なんですか?
山:正直…気持ち悪いよね
関:出た!イカの本音
山:こうなったらもうイカとしてさらに本音を言わせてもらいますけど,おじさんにソフトタッチで握られるくらいなら,いっそのこと煮るなり焼くなりしてもらいたいんですよ
関:焼きイカか煮付けにしてもらいたいってことですね?
山:まぁ〜わたくし…イカの代表として今日どうしても言わせていただきたいのは,「イカとしてはやっぱり刺身になりたい!」,この一言につきますね
関:ということはあれですか?
山:「あれ」というと?
関:干されるのだけは絶対に嫌なんですね?
山:◯◯◯◯⚪︎だ
あらゆるオチを誰よりも先に小噺化するプロジェクト『令和醒睡笑』過去の創作小噺を何回も何回も回すと"古典小噺"になる・・・はず・・・【小噺はフリー台本】