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漫才論| ¹¹²今年のM-1グランプリの波がすぎれば"正統派漫才"の時代がくる❓

今年のM-1ファイナリストは「コアな漫才ファン」が喜ぶメンバーが多すぎて,「そこまでの"漫才ファン"ではない大多数の視聴者には全然ウケない可能性もある」ということについてはこの記事で書きました

今回の大会は,出番順によってもかなり雰囲気変わりそうですが,私の個人的な予想としては,「そこまでの"漫才ファン"ではない大多数の視聴者」にはあまりウケないコンビが何組か出そうな気がします

そして,この「大多数の視聴者」の反応次第で,今後の漫才界の流れは変わってくると思います


全然ウケなかった場合

過去においても,会場の空気がものすごく重く,前半何組もスベるという恐ろしい大会がありました。今年,これに近い空気で始まり,トップバッターが波に乗れず,2番手がトリッキーなネタをやるコンビだったりすると,そのあとに続くコンビにとってかなり厳しい状況になると思います

例えばこの出番順だと結構厳しい大会になるかも・・・
①ゆにばーす ②モグライダー ③もも ④錦鯉 ⑤敗者復活 ⑥ランジャタイ ⑦インディアンス ⑧ロングコートダディ ⑨真空ジェシカ ⑩オズワルド

コアな漫才ファンにとってはおもしろい漫才が,大多数の視聴者に全然ウケなかった場合,「こんなの漫才じゃない」「なんでこのメンバーを決勝にあげたんだ」「M-1は終わった」などの声が相次ぐことになると思います

この場合,「コアな漫才ファンにとっての"おもしろい漫才"は『内輪ウケ』的なおもしろさにすぎなかった」という話になり,来年の予選の審査にも大きな影響を与えることになりますし,やっぱり「正統派漫才を極めたほうがいいのでは?」という空気になるような気がします

バカウケした場合

逆に,大多数の視聴者が,コアな漫才ファンと同じようにファイナリストの漫才にどハマりした場合(「大多数にバカウケ」というパターンはあまりないような気がしますが・・・)同じような漫才をしようとするコンビが増えます。しかし,今年のファイナリストと"同じような漫才"をしようとして成功するコンビはほとんどいないと思います。特に,「本当は正統派漫才がしたい」と思っているコンビがこれをやると,大抵迷走します

こうした状況がもし本当に生じるとするなら,逆に,「正統派漫才」のほうが貴重な存在になっていきます。そして,やっぱり「正統派漫才を極めたほうがいい」という話になりそうな気がします

ある程度ウケた場合

ある程度ウケた場合のその後が,一番予想しにくいです。この場合,正統派漫才と,今年のファイナリスト的な漫才と,その中間あたりの漫才が混在する時代が少し続くかもしれません

今から正統派漫才師として
腕を磨き始めたほうがいい

どちらにしても,今年の波がすぎれば,来年か再来年には「正統派漫才」の時代がくるのではないかと予想します。その時期がもう少しあとになる可能性もありますが,「正統派漫才」というのはそう簡単にものにできるものではないので,今年のファイナリストの漫才を真似するのではなく,今から正統派漫才師として腕を磨き始めたほうがいいと思います

正統派漫才が好きな人,正統派漫才ができる人は特に,今年のM-1でどんな漫才がウケようとも,ブレないほうがいいです。近い将来M-1を制するのは,そういう漫才師だと思います

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フィクション漫才『煮豆🌱』-いとこい師匠のテンポで-
作: 藤澤俊輔  出演: おせつときょうた


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藤澤俊輔 (漫才作家/小噺作家)
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