[漫才] ラーメンの注文の仕方(当て書き:夢路いとし・喜味こいし)
#オチを予想してお楽しみください (8文字)
ラーメンが大好きなのにラーメンの注文の仕方が分からないいとしさんに,注文の仕方を教えてあげるこいしさんとのやりとりをお楽しみください
オチの分類:拍子落ち/仕込み落ち/途端落ち
夢路いとし:人それぞれ好物というものがありますけど…
喜味こいし:はいはい
い:僕が一番好きなんが,ラーメンなんですわ
こ:ラーメンは美味いな
い:ラーメンなら毎日でもいけますね
こ:その歳で毎日いけるか?
い:昨日もラーメン屋に行ってきまして…
こ:ほうほう。何ラーメン食うた?
い:食うてない
こ:食うてない?ラーメン屋行ったんやろ?
い:行ったんやけど,注文がうまく言えないんですわ
こ:「言えない」なんてことあるか。ラーメン一番好きなんやろ
い:好きだからこそ言われへん
こ:「初恋」みたいに言うな。で,どないした?
い:昨日はあきらめてやな,ラーメン食べずに帰ってきたんですわ
こ:君はいくつや。ラーメンの注文できんて
い:コンディションとかあるないか
こ:「コンディション」て,なんのや
い:ラーメン注文するときのコンディションや
こ:ないわそんなもん。いつでもどこでも注文できるわ
い:君はプロか
こ:なんのや
い:ラーメンの注文の
こ:ラーメンの注文のプロなんてあるか
い:難しいやないか,ラーメンの注文の仕方
こ:難しないわ。テーブルの上にあるボタン押せば来るから
い:誰が?
こ:店員がや
い:来ないんですわ,昨日の店
こ:押したのにか
い:押してまへん
こ:押してないなら来るわけないやろ
い:なんで?
こ:押したら来るシステムやから,押さんかったら来ないシステムや
い:システム上の問題か
こ:そんな大層な話やないけど。だいたいなんで押さんの?
い:「ご注文がお決まりになりましたらそちらのボタンを押してください」言うからやなぁ…
こ:決まらんかったんか
い:迷ってたんですわ
こ:何と何で?
い:ラーメンと寿司
こ:何!?
い:だから,ラーメンにするか寿司にするかで迷いましてね
こ:ラーメン屋に入ったんちゃうんか
い:ラーメン屋や
こ:ほんならラーメンや
い:なんで君が僕の注文決めんねん。君にそんな権利あるか
こ:そのラーメン屋は寿司もやっとんのか
い:そんなラーメン屋ないわ
こ:分かっとるわ
い:分かっとんなら聞かんといて
こ:あのなぁ,「ラーメンにするか寿司にするか」っちゅうんは,店に入る前に決めなあかんねん
い:入ってから迷ったらあかんの
こ:あかん。一度ラーメン屋に入ったんならそこはいさぎよくラーメンや
い:ラーメンやないとあかんの
こ:あかん
い:ほんなら今日はチャーハンの気分やったけどあきらめて,ラーメンにしますわ
こ:チャーハンならまだ間に合うわ
い:チャーハンはええの?
こ:チャーハンやったら注文したらええやないか
い:それやったら寿司でも…
こ:寿司はあかん
い:なんでやねん。どっちも米やぞ
こ:原材料の問題やないの。ラーメン屋に寿司は置いてない。分からんか?
い:難しな。置いてあるもんやったらなんでもええの?
こ:ラーメン屋に置いてあるもんやったらなんでも好きなもん頼んだらええ
い:それやったら,「ラーメンとシナチクどっちがええかなぁ〜」と迷うてもええっちゅうことやな?
こ:迷うのは自由やけど,「ラーメンとシナチクどっちがええかなぁ〜」と迷うて「シナチクにしよ!」っちゅうパターンはない
い:なんで分かんねん。シナチクの気分の日もあるやろ
こ:シナチクはトッピングや
い:難しすぎるわ。ラーメンの注文
こ:どこが難しいねん
い:「チャーハンはええけど寿司はあかん」とか,「ラーメンとシナチクは迷ってもええけどシナチクを選ぶことはない」とか,注文のルールが難しいんですわ
こ:これはルールなんちゅうもんやないねん。ほんならラーメンの注文の仕方を1から教えたるから,それでええやろ
い:最初からそう言え
こ:偉そうに言うな
い:で?どうしたらええの?
こ:まずラーメン屋に入ったら席に座る
い:空いてる席にか?
こ:あたりまえや。誰かが座ってる席にどうやって座んねん
い:相席勧められることもあるやろ
こ:「相席」っちゅうんは同じテーブルの空いてる席に座るっちゅうことで,一つの椅子に二人で座るっちゅうことやない
い:最近はか?
こ:昔からや。座ったらメニューを見て何ラーメンにするかを決める
い:座った途端急に寿司食いとうなったら?
こ:我慢せい。「寿司を食いたい」という気持ちと戦うんや
い:戦いに負けたら?
こ:……。そんときはすぐにラーメン屋を出て寿司屋に行け!「寿司を食いたい」という君の気持ちは本物や!好きなだけ寿司食うたらええ
い:戦いに勝ったら?
こ:何ラーメンにするかを決めてボタンを押す
い:何回?
こ:1回や
い:2回押したら店員が2人来るからか
こ:あほなこと言うな
い:君は2回押したことあるんか
こ:ないわ
い:なら分からんやろ。2回押したら2人来る店もあるやろ
こ:絶対ない
い:なんで言い切れんねん。やったこともないのに。この世の中に「絶対」などというものがありますか?
こ:あ〜分かった分かった。来るかもしれんな。ボタンを100回押したら100人の店員がぞろぞろとやって来るかもしれん
い:そんな店あるか
こ:分かっとるわ。とにかく,ボタンを押したら店員が来るから,その人に「味噌ラーメンください」とかなんとか言うたらそれで注文完了や。分かったか?
い:醤油ラーメンがええ場合は?
こ:それやったら「醤油ラーメンください」と言え!
い:醤油ラーメンください!
こ:僕に言うな
い:誰に言うねん
こ:店員さんにや
い:すみませ~ん。醤油1つ。麺は固めで油多め。トッピングは煮たまご2つにチャーシューとのり。もやしはサービスで大盛りにしてもらえまっか? にんにくはなしで。このあと仕事ありまんねん。それから…
こ:ちょっと待て
い:邪魔せんといて。今注文してるところや
こ:君はプロか
い:なんのや
こ:ラーメンの注文の
い:ラーメンの注文のプロなんてあるか
こ:にしてもうますぎるやろ。ラーメンの注文の仕方
い:ラーメン好きならこれくらい普通や
こ:昨日「注文できずに食わんと帰った」っちゅうんは嘘か。食うたやろ?醤油ラーメン
い:◯◯◯ない。◯⚪︎◯◯◯にした
あらゆるオチを誰よりも先に小噺化するプロジェクト『令和醒睡笑』過去の創作小噺を何回も何回も回すと"古典小噺"になる・・・はず・・・【小噺はフリー台本】