漫才論| ³⁴「名作漫才」を保存するもっともエキサイティングな方法とは❓
漫才でも時々,「これは名作だ!」と言われるネタがあります。だからといって,そのネタをみんなが口ずさむわけでも,語り継ぐわけでもなく,かろうじてDVDに収録されることはあっても,ほとんどのネタがいずれ忘れ去られてしまいます。そのような現状はとても残念ですし,漫才もちゃんと保存すべきだと思います
「古典落語」はエキサイティングな保存方法
保存の仕方はいろいろありますが,古典落語の保存方法が一番エキサイティングだと思います。それは,「語り継ぐ」というスタイルです
しかも,一言一句そのまま暗記するのではなく,演者の個性と時代の流れがそこに映し出され,ネタはいつまでも新鮮な状態に保たれ,どんどんネタが成長していきます。そうこうしているうちに,元々誰がそのネタを作ったのか分からなくなってもネタ自体はいつまでも生きつづけます。これは本当にエキサイティングな保存方法だと思います
「古典漫才」という保存方法
漫才も,「語り継ぐ」という方法で保存するのが一番いいのではないかと思います。つまり,カバー漫才です。これは,漫才師にとっても,漫才作家にとっても,漫才が好きなすべての人にとってもいい方法です
漫才師にとっては腕を磨く機会となり,漫才作家にとっては名作漫才を書く意欲をかきたてられる環境が整えられ,漫才が好きなすべての人にとっては漫才の楽しみ方の幅が広がります。よく知っているあのネタを,大好きなあのコンビがどう料理してくれるのかを楽しめるからです
ただそのためには,「ストーリー」と「オチ」がしっかりとした漫才を作る必要があります。そうでないと,語り継ぐに耐えないからです。もちろん,そのときだけ楽しめる時事漫才もあったほうがいいと思いますが,語り継がれる名作漫才が増えたら,漫才の世界はもっともっと楽しくなると思います
このテーマに関する質問・意見・反論などは
「みんなで作る漫才の教科書」にお寄せください
「みんなで作る漫才の教科書」とは,テーマ別に分類した「漫才論」にみなさんから「質問」「意見」「反論」などをいただいて,それに答えるという形式で教科書を作っていこうというプロジェクトです
THE MANZAI magazine
❶「自分たちにしかできない漫才スタイル」を確立する方法 ❷しゃべくり漫才のうまさは「相槌」で決まる ❸「漫才台本の書き方」と「オチのつけ方」 ➍ボケやツッコミってどのようにして思いつくものなの? ❺「言い訳-関東芸人はなぜM-1で勝てないのか-」は"現代漫才論"ではない-ナイツ塙さんが何を「言い訳」しているのかが分かれば,関東芸人がしゃべくり漫才でM-1王者になる道が見えてくる- ❻漫才詩集「38」
フィクション漫才『煮豆🌱』-いとこい師匠のテンポで-
作: 藤澤俊輔 出演: おせつときょうた
あらゆるオチを誰よりも先に小噺化するプロジェクト『令和醒睡笑』過去の創作小噺を何回も何回も回すと"古典小噺"になる・・・はず・・・【小噺はフリー台本】