映画について

 アンドレイ・タルコフスキーとゴダールの映画をよく観るようになった。『ノスタルジア』(タルコフスキー監督)や『気狂いピエロ』(ゴダール監督)などだ。
 私はタルコフスキー監督の日記をよく読むのだが、「映像の詩人」と言われるように日記も詩的で映像的である。『タルコフスキー日記』にはドストエフスキーの『未成年』のことが書かれており、映画化したいらしい記述があった。タルコフスキー監督の作品は水の描写が多い。かなり唐突にあらわれるが、それがとても美しくなっている。
 ゴダール監督の映画は難解極まりない。詩的なせりふ回し、極彩色の映像すべてがゴダールの映画のなかに詰め込みられている。しかし、そのためか何回観ても新しい発見がある。その発見をおびただしいほどに出版されているゴタールについての文献を紐解くことが私にとって快楽でもある。『勝手にしやがれ』、『気狂いピエロ』、『小さな兵隊』、『女は女である』どれも簡単な映画ではないが「映画の中の映画」という手法がとられてありパズルのようでもある。初めて観るなら私は『気狂いピエロ』をおすすすめする。

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