『射精責任』日記① 私が想定読者です
はじめに
『射精責任』。一度聞いたら、決して忘れられない四字熟語。新しい造語でも、エッチなコンテンツのタイトルでもありません。大真面目に女性の身体と生命の安全、望まない妊娠による中絶を論じた、人文・思想ジャンルの全米ベストセラーを翻訳した本の書名です。
長引く出版不況と毎日おびただしい数の新刊点数のなか、新刊タイトルの発表というのは、そのほとんどが、日々、ネットの海に流れては埋没していく運命にあります。しかし、本書『射精責任』は、うっかり担当編集者がその名を口にした途端、大