さいしょの居場所
僕は兵庫県加古川市の街なかで月一回、学びの場を主催している。
MANABIYA Kakogawa
僕が加古川に生み出したイベント。
なぜ始めたのか。自分の振り返りも兼ねて少しづつ書いていこうと思う。
#07 //////////
まちの声を聞くために、自分に足りないものを探すために、姫路のまちで出会った場所
・ガラス戸の向こう側
まちを使う人のために「まちづくり」をする必要がある、そう思いながら業務に携わっていた僕。ただ、業務でしか「まちの声」を聞いていなかったことに愕然とし、焦りに焦りながらなんのツテもなく「まちにダイブ」した場所。それが「ひめじまちづくり喫茶」だった。
なぜそこを選んだのか?
簡単だ、googleさんに「まちづくり」「ひめじ」って尋ねたら教えてくれたから。
何もわからず、会社終わりに訪れたお城が近くにある雑居ビル。真っ暗なビルの中で一室だけ煌々と明かりが灯っている部屋があった。入り口は全面ガラス張りで中が良く見える。中には沢山の人がいた。僕は躊躇した。誰でも知らない所に入るのは怖い。しかも僕は過度の人見知りだ。会話音痴で人と接するのが苦手。関係ないが運動神経も鈍いので中学生の頃はどちらかと言うといじめられっ子。高校ではいるのかいないのかよくわからない普通のイケてない高校生。恋愛経験なんてロクになかった。あ、話がそれた・・・。仔猫のように臆病な僕(そんなかわいいものではないが)は帰ろかどうか悩んだが、せっかくここまで来たし、電車代も払ったし(このヘンから僕はほんとケチやなーとおもう)何より、自分の焦りをどうにかしたいので、ガラス戸を開いた。
・少しだけ、少しづつ・・・大きく温かく
「こんばんは~」
受付のおねーさんの軽やかな声。ドキドキしながら入った僕が拍子抜けするくらいのウエルカム感。「あれ?なんか軽いな?」
窓の向こうにはライトアップで照らされた姫路城がよく見える。
姫路城をバックにその日のゲストさんがお話を始める。その日の話は、人々がまちに対しどれだけ愛着を持てるか?「シビックプライド」や、まちの中での人の佇まい。まちの使いこなし「パブリックライフ」について。
使う人に目を向けてまちを作ろうとしていた僕にはとてもワクワクするような話だった。まちを使いこなす中で、一つの大きなイベントではなく、小さなイベントをたくさん繰り返すこと。それによって少しづつ人の心の中にまちへの愛着がわき、まちを愛するシビックプライドが育っていく。小さくてもいいから少しづつ続けていくこと、クサビを打ち込むかのように人の心の中に少しづつ少しづつまちに対する愛着を受け付けていく。それは、理屈ではなく感性。「あるべき」ではなく「ありたい」。自分がまちを楽しまないとまちを好きにはなれない。そんなことを教えてもらったお話だった。
そして、お話の後のディスカッション。熱い議論をされているが、僕は場の空気に圧倒され聞いているだけだった。
一通りイベントが終わったあと、希望者だけ残って二次会。
アルコールを入れながらご飯を食べたり、参加者同士やゲストとの交流。何のツテもなく飛び込みで参加した僕に主催者の男性から声をかけていただいた。緊張の中で過ごしたためか、僕は堰を切ったかのようにどうしてここに来たか?僕が何をしたいか?をしゃべっりまくった。そんな僕に温かく対応してくださり、そして僕がしようと思っていることに主催者の男性は賛同し「頑張れ!」とも言ってくれた。そして、受付で軽やかに対応していただいた女性にも「いいやん!がんばれ!」って言ってもらった。
それが、篠原さんと長谷川さんとの出会い。
他にもいろんな人と出会った、スラムダンクで熱く語り合ったり(笑)、NPOの方、市役所の方、バス会社の方、議員さんなどなど・・・。そこにはまちの「声」があった。僕が知りたいと思っていた「声」が。
ドキドキから始まった、「ひめじまちづくり喫茶」
色んな知識と出会い。色んな人と出会った濃密な時間だった。
そして、会場である納屋工房から姫路駅までの帰り道。ドキドキしながら会場に向かった行き道は暖かな空気に包まれた帰り道だった。
今でも忘れない・・・
行く前よりもほんの少し大きく温かくなった心。
明日を迎えるのが楽しみになった帰り道。
来てよかったなーと思えた時間。
仕事以外で自分が望んで見つけた、職場以外の最初の居場所は僕の人生を豊かにしてくれるように思えた場所だった。
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