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僕が描く「まちのバレエ」
僕は兵庫県加古川市の街なかで月一回、学びの場を主催している。
MANABIYA Kakogawa
僕が加古川に生み出したイベント。
なぜ始めたのか。自分の振り返りも兼ねて少しづつ書いていこうと思う。
#11 //////////
地域の人とワークショップを繰り返し、地域のビジョンを計画書として形にしていく作業をしていた。その中で、僕は地域の人がわかりやすい未来を描く必要があると思った。
そして僕は計画書の中で「歩道のバレエ」を描いた。ジェイン先生よろしく、僕が描いたまちのバレエをここでは書き記してみようと思う。
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地域の未来(あす)の風景
よく晴れた日の早朝、地域の散策路ではジョギング、ウォーキング、犬の散歩など思い思いに一日の始まりを楽しんでいる人たちがいる。川の水面には付近に生息する水鳥が飛来し、人と自然の交流が静かに、当たり前のように行われている。
池の南側の住宅地では新しく移住してきた住人が、忙しそうに通勤、通学の準備をしたり、家族で朝食を楽しんだり様々な朝を迎えている。ここは鉄道駅や高速道路のインターチェンジに近く電車や車で通勤・通学する人たちには非常に便利だ。また、近くに小学校があり子供たちが学びやすい環境になっている。
お昼には一面に広がる農地で作業をする農家、家庭菜園を楽しむ近隣の住民、体験農園では交通至便な環境を活かし、都市部から交流を求めて集まる人たち。○○地域の緑は生業からレクリエーションまで人々のクオリティオブライフを高めてくれる。
体験農園や家庭菜園で汗をかいた後は、地区内にあるカフェで一息つける。ここでは地域のとれてたて野菜を使った食事が楽しめ、くつろぎのスペースとなっている。カフェのとなりでは、料理教室、音楽教室や雑貨屋などのカルチャースペースがある。ここには、子供がいない時間を活かしたママが集まり、新しい『場』をとなっている。
小学校のとなりでは農地を活かした野外教室がある。子供たちは農地を通じて自然や食について体で学ぶ。多様な価値観を生みだし認め合うことが必要なこれからの社会において、農地はすばらしい先生となるはずだ。
地域の豊かな自然は緑だけではない。池から流れるせせらぎ水路は子供からおじいちゃん・おばあちゃんまで集える水辺空間だ。この水辺は住民が利用し住民が守る、まさに公共の空間となっている。
コモンスペースを持つ住宅地では、コミュニティを活かしお隣さん同士のバーベキューなどが休日に行われ人と人との交流が絶え間なく行われている。
夜になると、人々は家に帰りそれぞれの時間を楽しんでいる。地域のセンタープラザであるカフェでは洒落たディナーを味わいながら上質な空間を楽しめる。カフェからは○○山の裾野に広がる市街の夜景が望め、『○○大師』の大願塔が今日も地域を見守るように明るくたたずんでいる。
これが、僕が当時描いた地域のバレエ
多様な人たちが地域の中で思い思いに人生を楽しむ場面を作ろうと思った。その準備も着々と整いつつあった。あとは、やるだけ。その覚悟もあった。そして、期待と不安、まだ見ぬ未来に想いを馳せながら業務の整理をしていた年度末。運命の3月10日を僕は迎えた。
(つづく)