コロナユーモア名言録 クラシック編
クラシック
「霧の中の愛の讃歌」B
ソプラノ歌手M子さんの主な仕事の1つに『結婚式での余興』としての歌唱がある。ただ、やはりその時もフェイスシールド着用が義務付けられており、彼女はものすごく心を込めてしっかり歌うので、フェイスシールドが真っ白に曇ってしまって彼女の表情もわからなくなり、まったく前が見えなくなる。
祝福すべき新郎新婦の顔も見えないまま愛の歌を力いっぱい歌い続けるのだが
「こんなことでいいのかしら?」
と、自問自答することがある。
「中東風クラシックマスク」C
この辺の音楽家たちの需要を見越して、中東の女性の着けているベールみたいなバカ長いマスクを通販で売り出した業者があったが、あまり売れなかった。
「ブラボ−禁止」B
今クラシックコンサートでは、飛沫感染を防ぐため「ブラボー禁止」とされている。ただもともとコロナ以前から「日本クラシック界の闇」として『アンコール係』『拍手係』などと並んで『ブラボー係』があらかじめ雇われて客席に配置されていて「やらせ」で叫んでいたものだったが、コロナで彼らの仕事がなくなった。
「おもてなしブラボー」A
ただ海外大物歌手がプロモートされてきたときだけ彼(彼女)たちの「ご機嫌」を損ねないように「失礼のないように」と「おもてなし」で『ブラボー係』たちが復活、改めて客席で仕事にありついていた。
「リアルブラボー」B
日本クラシック界の「コンサート」にはサクラはいても、順位を競う「コンクール」では『拍手、ブラボー』は、慣習としても、公平を試すためにも、もともと禁止とされてきた。
その上でのこのコロナ措置でますます「ブラボー」はあり得ない。
なのにそういう場でまれに「リアルのブラボー」をもらえることがある。そんな時ソプラノ歌手M子さんは
「今日の私の歌ほんとによかったんだわ!」
と、とても感激して嬉しくなるとのことである。
「ツバメの往復」B
逆に男声合唱団といった大人数になると
「楽屋使用禁止・音楽ホール舞台集合・舞台解散」
と言う措置がとられた。
おかげで男性団員たちは、ホールの中では普段着に着替える空間もなく、自宅で黒のタキシードに、黒の蝶ネクタイ姿を着用、その姿で電車やバスに乗ってホールに来て、そのままタキシード姿で家路につくと言う羽目になっていた。