コロナユーモア名言録 Uber eats編

「信号待ち転職相談」A

ステイホーム時代にぴったりの業態として、かつ飲食業などが潰れたりして始める人が多く、新業態として注目を集めた「ウーバーイーツ」。初期にはかなり稼げたが、参入してくる人も多く収入が目減りしてきた。Dさんは、先行きに不安を覚える中、たまたま「フードパンダ」のバイクの配送員の人と信号待ちで隣りあった。Dさんが勇気を出して

「お宅のところどんな感じですか?」

と振ってみると

「ウチはウーバーさんに比べて営業所が少ないからロング多いよ」

「でも自転車ではきついな。バイクが必要になりますわ」

といろいろ相談に乗ってくれた。

「ウーバーイーツ営業」C

「UberEatsやってます」と言うと、世間では

「この人コロナで苦労してるけど負けずに頑張ってるんだなぁ」

とみなす傾向が定着した中

「あたし昼間Uber Eats始めたんですう」

と嘘をつく銀座のホステスがいた。

『マック地蔵』B


Uber Eatsをやる人にとって、店側から注文が入りその時間髪入れずにそこに取りに行けるシチュエーションがやはり最高の労働環境。

 その結果、出前発注の件数の1番高いとされる各地のマクドナルドの店の前であらかじめ待機する人が増え「マック地蔵」と言う言葉が生まれていた。

「稼げない・駐禁・ゲーム」B

Uber Eatsは基本的にスマホと移動手段があれば始められる。ただそれぞれの移動手段にも一長一短があり

「自転車は経費がかからないが長距離が取れず収入が上がらない」

「バイクは遠距離の注文も取れるが、高層マンションに入って配達先探しに手間取っているうちに駐禁を取られたりすると、1日の稼ぎが吹っ飛ぶ」

などそれぞれ。そんな中まれに自動車を使っている人もいるが、そういう人によると

「注文を待っている間(地蔵と言う) 荷台に寝転んでゲームやYouTubeを見ているのが最高ですわ」

とのことであった。

「AIはまだまだ人間的ではない」C

地方都市でUber EatsをするMさんは、初めて行く届け先に行く際、Googleマップを頼り真っ暗な中の一本道を突っ切ることになった。スマホの小さいライトでうっすら照らして見ると、そこは大きな暗い灰色の墓地の中。Mさん、

「人に聞いていたら、こんな所を通らさずに、「ここから先はお墓だから、左に行ってそれから右に行ったらいいですよ」とか案内してくれただろうに。Googleはひどい」

と憤慨していた。


「ドタキャンごちそう」A

従来の出前なら配達途中でのドタキャンなどもめる事必至のところを(決済システムがキチンとしているからこそなのだが)
「急用ができましたので、どうかお召し上がりになってください」
とご馳走になる経験をした配達員もいた。


「ベッカムのUber Eatsの男の子」B

リモートワークが続くOLのJ子さん。「名古屋風とんかつ」にはまってしょっちゅう頼んでいる。
たまに大学生らしいハキハキと対応してくれる、感じの良い子が来てくれることが重なった。凛々しい洋風の顔立ちでまるで若き日のベッカムのよう。あるJ子さん、味噌カツを持ってきてもらったとき、思い切って
「ちょっとマスクを外してごらんなさいよ」
と言うと外した彼の顔はますますかっこいい。J子さん思わず
「あんたこういうのじゃなくモデルやればもっとお金稼げるんじゃないの?あなたならやれるわよ」
と言うとUber Eatsの男の子は
「いや、今この仕事が楽しいしやりがいがありますので」
と全く未練がないようで爽やかに笑って帰っていった。

「銀座忍者ハットリくん」A

21年の7月、筆者はある出版の会合で、銀座1丁目にお呼ばれした。その時の主催者の指示が

「まず店の前に着いたら、1本携帯を鳴らすように。そうしてから白いシャッターを50センチ位だけぐらい開けてまず体を入れて、すぐシャッターを下ろす。そこでもう一回電話ください。そしたら二階の店から迎えの者をやって連れて行くから」

と、まるでこれから国際スパイの情報交換が始まるようなことを指示され、筆者はもちろんそれに粛々と従った。

「銀座・男同士のアルバイト」B

緊急事態宣言下、ちょっと興味を持って、以前取材を兼ねて通っていた「L」に9時ごろ電話してみた。すると黒服が出てきたので、こちらもとぼけて

「あれ?営業してはいけないんではないんですか?」

と聞くと

「営業してはいませんよ」

と言うので

「じゃあ今何しておられるんですか?ホステスさん達はいないんですか?」

と聞くと

「いないですよ。男ばっかりです」

「銀座の高級クラブでこの時間に男ばっかりで何してらっしゃるんですか?」

「男同士で事務のアルバイトしてます」

と電話では決して営業を認めようとはしなかった。

「銀座3分間にらめっこ」B


銀座で4店舗を経営する有名ママMさんは、100人近いホステスたちを抱え時短要請にはとても従っていられない。それどころか通常の閉店時間23時半を回ってまだ客を入れないと厳しいくらいな状態である。

それでMママは、毎夜23時半になると、

「お客様、皆さんこれから3分間店の電気と看板のネオンを落としますからその間は動かず静かにしておいてください。3分たったらまた電気をつけますので安心して通常とおり飲んでくださいね」

と毎晩やって当局からのお咎めも今のところ受けず、何とか営業を持ちこたえさせている。

「ズルしたからこそ経営持ってる」B

銀座の飲食店には、

「一度離れた客は二度と帰ってこない」

と言う鉄則のようなものがあると言う。そのため政府の指導通り店を閉めたところが解除になって店を開けても誰も来ず、制限期間中もこそこそとシャッターを開けていた店の方がその間も通っていた客が「なじみ」として安定的に来ると言う現象が起こっていた。


「心が折れたママ」A

そんな難しい舵取りの営業の中、心が折れ、客の1人と結婚したママがいた。


「ターゲットチェンジ」B

Twitterを駆使して集客する新しいタイプの銀座ホステスSさん。彼女のツイートを見ているとコロナが流行る2年前には

「今年春の初買いリップはディオールの千鳥リップ99 9vとステラーシャイン891」

「同伴で行った先の恵比寿ガーデンプレイスのひとこま」

といったものだったが、35歳が近い今、

「晩御飯をつくりました。メニューは

千葉のは玉ねぎツナコーン

芽キャベツアスパラベーコン

しらたき明太子

プチベール卵サラダ

群馬の牡蠣な豚肉巻き」


と、家庭的。加えてピンクのエプロンでいそいそと調理しているところの写メまで付け(おそらくは)

「いい奥さんになるわよ」

アピールに切り替えていた。


「コロナ過疎」B

日本中が、世界中がコロナの蔓延を嘆いていたばかりではない。ある地方都市のその中でもひなびた地域に住むA子さんの自治体にはこの2年で4人しか感染者が出ていなかった。A子さんは

「田舎すぎて恥ずかしいので遠くの友人たちにも言い出せない。ウチの辺りもそろそろ蔓延防止重点地域に指定してほしい」

と嘆いていた。

「カプセルキャバクラ」B

マスク、フェイスシールドでは感染防止にまだ不十分と、天井から床まで2人掛けの客席を、厚手の透明なビニールで繭のように覆い尽くして営業していた上野のキャバクラ店。ただ、客からもホステスからも

「もしこの相手が万一陽性だったらうつる可能性は逆に高くなるじゃないか」

と、いまひとつ不評だった。


「つくねと水」A

蔓延防止、緊急事態宣言下で、たまたま、

「久しぶりに焼き鳥でも食べに行こうかなぁ」

と近くの焼鳥屋に電話してみると

「いやまあ。開けてはおりますけど・・・。でもお客さん、つくねを水で食べれますか?」

と聞かれ、

「それは確かに無理がありますね」と行くのをやめた。


「高級わんこそば」C

恋人の誕生日に奮発して帝国ホテルの「フォーシーズン」でフランス料理のフルコースを予約しようと電話をしたところ

「了解いたしました。ただ20時までとなりますがよろしいでしょうか?アルコールも出ませんが」

と言われ、やめることにした。


「演技派ビール」B

 21年の8月、フラリと1人でお好み焼き屋に入り、ついでにビールを頼むと

「あ、今ビールないんです」

「あ、緊急事態宣言で?」

「あ、でもあるんです」

「?」

「アサヒの瓶ビール持ってきます。でも手前にノンアルコールビールの瓶を見えるように置いといてください。そうしてくれるんやったら持ってきます」

「わかりました」と言って筆者はビールを飲むことができたが、

「コロナはもはやビールを飲むのも演技力の時代に入ってきたなぁ」としみじみ味わった。


「健康の時代」A

演技とともに飲食を終え、会計を済ましてふとレシートを見ると、「お好み焼き豚玉」と並んで

「機能性飲料」と項目がふってある。筆者はそれを見て

「この最近の健康志向から糖質ゼロとかから始まってとうとうビールは機能性飲料にまでなったか」

と思った。

「会食は4人まで」B

ロシアがウクライナ国境に10万の部隊を派兵。

「第三次世界大戦勃発か?」

と情勢は緊迫していたが、

「会食は4人まで」

と政府から定められている日本の飲食関係者Bさんは、

「しかしどうやって10万人も毎日食事しているのか?」

と訝っていた。

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