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hoccoristudy
白昼百物語 二十五話目~ケーキ
小学生三年生くらいのときだろうか。友人の家でケーキを作った。何用のケーキだったのだろう。多分、クリスマスだったと思うが、おしゃれさは微塵もなかった。
手作りケーキと言っても、材料がすべてセットになったものを使ったので、混ぜたり量ったりするくらいだったが、あぁでもないこうでもないと騒ぎながら、ときには揉めながら作った気がする。
クリームも混ぜて泡立てるだけだったのだと思う。
大騒ぎしてケーキは出来上がった。親に手伝ってもらわず、子どもたちだけで作った。やっと食べれるといさんでみな最初の一口を食べた。
まずかった。生焼けだとか、クリームが緩いとか、そんなレベルではない。なぜかお好み焼きソースのような味がするのだ。材料はセットだから間違えるはずないし、お好み焼きソース意外のもので、お好み焼きソースの味ができあがるだろうか。
まずいまずいと騒ぎながらそれでも食べきった。
子どものころというのは、まずくても楽しいものなのである。
それにしても、なぜあんなにまずかったのだろう。