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白昼百物語 三十六話目~一人足りない

昔から消えない不思議な感覚がある。家族や友達といると、なぜか一人なりないような気がするのだ。
あれ、誰かいないと思って数えると、みんないる。誰か来る予定の人が来ていないというようなこともない。そもそも家族なぞ、数える必要もないのだが、やはり時折ふっと、一人足りない、と思うのだ。
誰かがいない、というのと少し違う。一人足りない、とそう思うのだ。
生まれた家族から離れて一人暮らしをして、そして今は結婚して、主人と娘と三人で暮らしている。数える必要もない三人暮らしである。しかし、
やはり私は家族で談笑している途中、ふっと、一人足りない、とい思うのだ。

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