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頭痛キャラメル 第十七話【秘伝の牛すじ煮込み】
父方のおばあちゃんは、料理が得意だ。小料理屋を経営していたおばあちゃんは、お店で作っていた料理を作って、僕の家に来るときに持ってきてくれた。大人のひとが好むような、おつまみにもなる料理が多かったので、僕の口に入る機会が少なかった。
でも、たまに食べる機会があった。そのなかでも印象に残っているのが、牛すじ煮込みだった。すごく味のしみた牛すじは、とろとろになっていた。口のなかに入れると、とっても柔らかくて、とっても美味しい味だった。僕は、今でもその味が忘れられなくて、年末には、牛すじ煮込みを作っている。もう、この世におばあちゃんはいないけど、僕が牛すじ煮込みを作っているときに、こっそり手助けしてくれているのかも知れない。調味料を加えるときは、なるべく感覚的に、そして無心で、作っている。
おばあちゃん、いつもありがとう。
第18話に続く