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■ダンサー人生[第十六話]

あなたは、自分の中の「本当の姿」を知っていますか?そして、その本当の自分に変身する鍵を手に入れましたか?誰も知らない、本当の自分に会いたいですか?yesであれば、この話(ストーリー)をヒントに、本当の自分に会う鍵を見つけてください。■■■

 よさこいの醍醐味とも言うべき舞台ステージの演出を手掛け始めた。もちろん、踊り子兼任である。私としては、踊り子がメインだ。それにしても、舞台演出がこれほどまでに楽しいことだとは想像すらできなかった。つくづく、私はよさこいが好きだな、と思った。この頃は自チームの演出担当として、顔と名前が売れ始めていた。他チームのよさこい踊り子仲間との交流も盛んになり、踊り子仲間の結婚式にも呼ばれる程になった。私の周りには、よさこい仲間でいっぱいになった。こんな環境になれば、仲間同士の会話も中身はよさこいである。いつしか、他チームの演出担当と仲良くなり、演出についての深い話をすることもあった。そんな場では、私は夢を語ることが多かった。基本的には、自チームの演出内容を他に漏らしてはいけない事になっていた。各チームの極秘事項だったが、イメージ程度の話は、他チームの演出担当に話していた。しかし、これは私なりの作戦だった。自チームの演出担当の私が、話すのだから相手はそれなりに聞き入ってくれるし、私にもそれなりの話が入ってくる。そうはいっても私は他チームの演出にはあまり興味を持てなかった。私が、大好きな北海道のチームの演出と、どうしても比べてしまい、興味がわかないのだ。自分たちのチームが目指すレベルは、あの全国最高レベルの演出だった。

 しかし、私は踊り子の一人に過ぎない。もちろん、よさこいは、一人の踊り子では成り立たない。私は、演出にのめり込むあまり、踊り子として、よさこいを楽しむのことを少し、疎かにしてしまっていた。私は、踊り子として、よさこいをやっていくのだ。そう、自分自身に言い聞かせた。

 人はこれまでの歩んできた道を少し振り返っては、また進む。その繰り返しの中で、何かを発見していく。その発見したものを、大切にしながら、前に、進むのだと思う。そう思い、踊り子としての人生をもっと楽しむ事にのめり込んでいった。

◆本当の自分に会うポイント◆      ① 好きなことをとことん追求する。

② 今まで踏み入れたことがない領域の世界の中で、がむしゃらに生きていく。

第十七話に続く

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