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頭痛キャラメル 第十六話【100回ピンタ】
父方のおばあちゃんは、僕の父親と仲が悪かった。
どうして、おばあちゃんとの仲が悪かったのか、小学生の僕にはわからなかった。
おそらく、子供の頃に、口うるさくて、躾が厳しくて、あまり自由にさせてもらえなかったのだろうと、僕はずっと思っていた。
でも、親が子供に対して口うるさかったり、躾が厳しかったりするのは、ある程度は仕方のないことだと思っていた。
なぜなら、子供はそのままの世間知らすで、礼儀も知らない、相手に対して失礼なことや、言葉使いをしたら、親ではなく、周りの大人から、こっぴどく叱られるからだ。
親は、子供を、立派な大人に育てる役目があって、それは、子供のためなのだと思った。
だから、小学生の僕は、親の言うことをなるべく聞くようにした。だけど、たまに反抗したくなるときがあったりして、分かりやすく、反抗的な態度をすると、とんでもなくしかられた。
やっぱり、大人は強い。そして、優しい。
僕は、おばあちゃんと父親が仲の悪い親子だとは、思わなくなった。
おばあちゃん(父親の母親)が、子供(僕の父親)を嫌いになるわけはないし、おそらく、父親(おばあちゃんの子供)が、厳しかったおばあちゃんを怖がっていただけだと思った。
僕の父親は、僕に対して、とっても厳しくて、よく叱られてきた。口よりも手が先に出るほどだった。おそらく、僕が小学生の時に、百回位ピンタされた記憶が残っている。いや、二百回だったかも知れない。なにせ、ピンタされると、記憶が飛んでしまうから。
もう、はっきりとした、回数までは覚えていない。
僕の父親は、とっても厳しかったおばあちゃん(僕の想像)の教えを、僕に伝えるために、厳しくしてくれていたんだ。僕は、そう、理解した。
それ以外の、理由で怒っていたとしても、それでいいんだ。
僕は、どんなに父親に叱られても、嫌いにならないし、仲も悪くならないし、仲が悪いように子供たちから、そう思われないような姿勢で生きたい。
そして、小学生の僕は、大人に成長して、誓った。子供に対しては怒らないと。
第17話につづく