赤いカバンのお兄ちゃん
アルツハイマーの母の息子
【第二話 喧嘩の相手】
ある日、母ちゃんのいる病院に
面会に行った
母ちゃんはいつもと
少し違う雰囲気だった
いつもの面会の室内には
少し重い空気が漂った
その日の母ちゃんは、
とても機嫌が悪かった
僕は産まれたときから、
母ちゃんのことを知ってるので
それでも、
いつもの母ちゃんにしか感じなかった。
母ちゃんは、食事の出るのが遅いと
怒っていたようだ
僕は、担当の介護士さんの説明に
「クスッ」とした
母ちゃんの意外な一面を聞けて
少し嬉しかった
母ちゃんも頑張ってるな。
僕も頑張るよ。