ポジション2における 足の長さの違い(下肢長差の要因【2】)
足の長さの違い(下肢長差)は、
体の状態を知るための 重要な指標です。
私達は、通常、
「No.1ポジション」で足の長さの違いを診ますが、
(「No.1ポジション」とは、腹臥位にて膝を伸展した状態です。)
「No.2ポジション」でも足の長さを診ます。
(「No.2ポジション」とは、腹臥位で膝を屈曲(鋭角)した状態です。(Fig.1-0,Fig.1,Fig.2参照))
さて、
下肢長差を検査されておられる施術者の方の中には
No.2ポジションの「直接的な原因」は何か?
ということに疑問をもっておられる方が多いと思います。
(なぜ?、ポジション1とポジション2で両足を診たとき、短足側が変わったり、長さに違いができるのだろう?など)
そこで、今回は、私なりに、
この「直接的な原因」(物理的な原因)
を解説したいと思います。
あくまでも直接的な「物理的な」原因です。
本件につきましては、
どのようなテクニック本やDVDにも解説されていませんので、
皆さん、疑問に思っておられることだと思います。
(私も、何度、後輩達に質問をうけたことか・・・)
特に、テクニック本に載っている写真などについては、説明の為?にか、診方に強引なところがあり、
高低差の測り方が不明瞭で、下腿の角度や足首の角度などの考慮がなく、誤魔化されているような感じがして、頭の中が混乱してしまっている方が多いことだと思います。
もちろん、
No.2ポジションの本来の原因は、神経系の影響、筋肉系の拘縮、骨格系の変位など、色々ございましょうが、
それが、
どうして?
下図(Fig.1-0)の「A」の長さにおいて、
両足の長さに物理的な違いが出てくるのか?
今回は、それを考えていくことにしましょう。
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No.1ポジションの際、
「後頭骨 ~ 殿裂 ~ 両足踵間の中央点」
を結んだ線を中心線として体勢をとり、
そこから膝を屈曲(鋭角)しただけでは、
本来は、「両足の長さAは同じ長さ」になるはずです。
それでは、なぜ、「左右の足を比べた時」、「長さA」が変わることになるのでしょうか?
その「答え」として・・・・
考えられる原因は、次の2つしかないと思います。
1. 下腿の内転角度が違う。
(膝を屈曲してからの内転 Fig.1②参照)
2. 両下腿が同じ角度で屈曲していない。
(Fig.2,3参照)
それでは、上記原因の1.と2.をもう少し詳細にみていくと
1. については、
検査の際は、足方から頭方をみて、
足の位置を、あらためて、中心線に従って補正して検査しなければならない為、
これで長さAに変化が出るとは考えられません。
(Fig.1 ②参照)
次に、2. についてですが、
これは、十分に考えられる原因です。
ということで、
「2. が直接的な物理的原因」であると考えるしかないでしょう。
つまり、
『両下腿が、同じ角度で屈曲していない』のです。
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検査の際、
「両足の裏を揃えて」、
高低差を見ますので、
それが、
両足を同じ角度で屈曲していない原因になるのです。
(Fig.4参照)
たとえば、
No.1ポジションにおいて、
短下肢(短い足)側の足は、反対側より、
「膝の位置」が頭方に位置します。
(Fig.1 ③参照)
そして、この状態で
単純に(様々な影響を無視して)
両膝を90度以上鋭角に屈曲させると
当然のごとく、足の長さAは、長く見えるのです。
(Fig.4参照)
(短下肢側のAの長さが短く見える場合や、単純に長く見えるわけではない場合も、もちろん存在します。
それは、
No.1ポジションからNo.2ポジションになるときに、
No.1ポジションの時 短下肢であった足の膝の位置を移動させるような筋骨格系の影響が考えられます。)
ということで・・・
今回の解説の主題は、
「長さAが両足で変わる物理的原因」
としていますので、
説明もここまでとしておきます。
つまり、
結果としまして・・・
私達は、
No.2ポジションの下肢長差の
「本来の原因」
を考える場合、
No.1ポジションからNo.2ポジションへ移行する際に起こる
「膝の位置」の違い
に注意を払い、
もし、
膝の位置に差が出た場合には、
「なぜ膝の位置の差が出てしまったのか」
を考えなければならないということなのです。
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