よくある質問 質問1『〇〇は固い木ですか?』
出店へ赴いた際にお客様から寄せられる質問について書いてみたいと思います。
質問1.
最も多い質問。それは『○○は固い木ですか?』です。
目の前に並んでいる器、その木の名前を見た途端に、ほぼ必ず聞かれる質問。
『〇〇は固い木ですか?』
固い木という言葉から連想される、その筆頭は、梅、桃、桜・・・
でしょうか? まぁ中でも、とんでもないのは梅でしょうねぇ。
あくまでもこれは[和ノミを用いてコツコツとマグカップを彫る手作業をする]
場合のお話ですが。
老若男女、地域を問わず、みなさんから寄せられる
『〇〇は固い木ですか?』その心の根底にお持ちの疑問の中身がどうしても
いつまでもわからずじまい。
固い木かどうか、それを尋ねそれを知り得る、その真意は如何に?
この先に木工を始めようという様子はなく、木に関心が深いという様子もなく、
好奇心が強いという様子もなく、固いかどうかを知りたい。 はて?
その深層心理? まるで、わから~ん?のです。
質問2
お客様『マグカップが出来上がるまでに、どのくらい掛かるんですか?』
私 『最短で、2ヶ月でしょうか?』
お客様『2ヶ月!!!! はぁ~~~。』
私 『最短ですよ。1年くらいのものも少なくありませんね。』
これはもう一様に、みなさま驚かれますね。2ヶ月。何しろ丸太の解体から、いや
その前に丸太を入手するために、山やブドウ園の現地へ行かなくてはなりません
からねぇ。
質問3
お客様『ブドウ? ツルですか?』
私 『木ですよ』
お客様『ブドウの木? 細いですよねぇ。』
私 『いや太いものがあるんですよ。直径が50cm以上のものも稀には
あるんですよ。』
お客様『直径、50cm!!!!』
質問・4
お客様『ブドウの木の器は、どうして価格が高めなのでしょう?』
私 『ブドウはですねぇ、まず初めにブドウ棚から不要な部位を落としていかなくてはならないのです。大蛇のようにうねりながらブドウ棚に巻きついている
無数のブドウの枝。それをどこから切り始めるのか?
それをよく考えないとブドウ棚、つまりブドウの枝を支えているワイヤーを
切ってしまう、すなわちブドウ棚そのものの損傷になる可能性があります。
大体ブドウの木一本の除伐作業は数時間に及びます。そうして最後の最後に
残った幹、それが一番太さがあって一番使い勝手が良いはずの部位。
でも・・・幾つもの枝の除伐を終えブドウ棚の損傷をしないように気を配り
やった、やったぁ、さぁ後は、いざ念願の幹、いざ解体!!
うう・・・うううううううううううううううっ~と、うを幾つ書いても
足りないくらいのショックなこと、たくさんありました。
幹が・・・中心が腐ってしまっていて、もはやボロボロ。使い物にならない。
そういうこと、少なくありません。
解体してみない事には幹の状態は誰にもわからずじまい、つまりは、
ただの骨折り損のくたびれもうけ~~~~~~😖
ですからブドウの木から生まれた器たちは、どうしても価格が高めにならざる
負えないのです。素材の確保がとてつもなく難しい、それが筆頭の理由で
あります。
更には仮にブドウの木の素材の確保が出来たとして、なにしろ強烈な個性を
持つブドウの木、製作の工程でもその素材の管理に他の木の数倍に及ぶ
手間が掛かる事、また更には、仮に品物が出来上がったとしても、出荷前までに
ブドウの強烈な特性ゆえに、[出荷不可の状態]へと変貌してしまう場合も多々有り
完全に間違いの無い品物であると自信を持って、出荷が出来る品物は、その中の
極々わずか。他の木の数倍、ひょっとしたら数十倍の手間暇を掛けて、ブドウの
木の器は、みなさまへの披露の機会を得ております。
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おしらせ
本日の記事の中の作品はこちらで販売中です。
どうぞよろしくお願いを致します😊
つぶやき
さてさて・・・一体いつまで木工ができるかなぁ?
木が手に入らなくなったらおしまい・・・だろうなぁ・・・。
自分の体力の問題もあるからなぁ。
多分このままだと、ブドウの木が一番最初に素材の確保ができなくなるだろう
なぁ😌