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ゼミ生の卒業制作がグランプリを受賞しました!
昨年度からゼミを持つようになりました。
それまでも教えている学生に対して親愛の情を抱いていたものの、ゼミはまた格別で思い入れもひとしおです。
ちなみに、ゼミとはゼミナールの略で、自分が興味のある専門分野の先生のもとで主体的に学ぶ少人数制の授業です。
2回生の秋頃にゼミ説明会があり、志望するゼミを決めます。その後、3回生と4回生の2年間にわたって、お互いの作品を読み、合評を行うので、関わりも深いものとなるのです。
学びの集大成として、4回生は「卒業制作」に取り組みます。
研究分野の先生のゼミでは「卒業論文」を書く学生もいますが、私のゼミは創作がメインなので小説や詩などを「卒業制作」として仕上げるひとが多いです。
その年度の卒制や卒論のうち、特に優れていたものに賞が与えられます。
今回、ゼミ生の作品が受賞したのは「学長賞」です。
賞には「学長賞」「学科賞」「研究室賞」とあり、「学科長賞」は最高位となります。つまり、すべての学生の作品のなかで一番よかったということで、選ばれたのはめちゃくちゃうれしかったです。
受賞の知らせを聞いて、学生本人も喜びの涙が止まらなかった、とか……。
この学生の作品が、グランプリに選ばれた理由を考えていきたいと思います。
理由その1 早くに原稿を書きあげて、改稿した
卒業制作の締め切りは12月にあります。多くの学生は締め切りぎりぎりまで原稿を完成させられずにいるのですが、グランプリを受賞した学生は5月に前半部分を書き、7月に後半部分を書きあげていたのです。
つまり、前期に作品を最後まで書き切り、後期ではひたすら原稿を手直しする「改稿」を行っていたのでした。
理由その2 ほかのゼミ生の指摘がよかった
グランプリの選考において「粗がない」「完成度が高い」という評がありました。これはまさにゼミでの合評のおかげで、ほかの学生たちが最初の原稿にあった「粗」を指摘してくれたからこそ、改稿時に修正をして、完成度を高めることができたのです。
なので、受賞は本人の努力はもちろんのこと、ほかのゼミ生の助力もあり「チームの勝利」と言えるのではないかと思います。
理由その3 作者がどうしても書きたい作品だった
そもそも、早くに原稿を書きあげたのも、指摘に耳を傾けて懸命に改稿に取り組んだのも、この「作者の作品にかける思いの強さ」によるものだと言えるでしょう。
ここまでの情熱をもって創作に取り組める学生というのは、文芸学科でも限られています。
どうしても書きたい……、書かねばならない作品だった。
作品に込められた「魂」こそが、なにより得がたい魅力ではないかと考えるのです。