Spinoza Note 19: [定理6] 実体の独立性
寄り道したが定理に戻る。次は定理6だ。
Una substantia non potest produci ab aliâ substantiâ.
Eliot訳:One substance cannot be produced by another substance.
Elwes訳:One substance cannot be produced by another substance.
畠中訳:一の実体は他の実体から産出されることが出来ない
高桑訳:一つの実体は、他の実体から産み出されることは出来ぬ。
定理6を定理2,定理3により証明する過程を追ってみよう。まず定理6を論理式で表現する:「x と y が相互に異なる実体なら、x は y の原因でなく、また y は x の原因でない。」
P6. ∀x. ∀y. [ is-substance( x ) ∧ is-substance( y ) ∧ x ≠ y ⇒
¬ is-cause-of( x, y ) ∧ ¬ is-cause-of( y, x ) ]
次の定理2を用いて定理6をP6aのように変形する:
P2. ∀x.∀y.[ is-substance( x ) ∧ is-substance( y )∧ x ≠ y ⇒
¬ ∃z.[ is-common-to( z, x, y ) ]
P6a. ∀x. ∀y. [ ¬ ∃z.[ is-common-to( z, x, y ) ] ⇒
¬ is-cause-of( x, y ) ∧ ¬ is-cause-of( y, x ) ]
以下の定理3を参照し、P6a の前件を書き換え、P6bを得る:
P3. ∀x.∀y.[ ¬∃z.[ is-common-to( z, x, y ) ] ⇒
¬ is-cause-of( x, y ) ∧ ¬ is-cause-of( y, x ) ]
P6b. ∀x. ∀y. [ ¬ is-cause-of( x, y ) ∧ ¬ is-cause-of( y, x ) ⇒
¬ is-cause-of( x, y ) ∧ ¬ is-cause-of( y, x ) ]
上のように変換され、前件と後件が一致し、証明が完了した。問題なく証明できた。定理6の系を素通りして次に進む。